ストーリー

月曜日、見つけ出すのは自分が生きる証

 

サンドラは飲食店で働く夫のマニュとふたりの小さな子どもとともに暮らし、
ソーラーパネル工場で働いている。
しかし、体調不良からしばらく仕事を休職していた。
ようやく復職できることになった矢先、ある金曜日にサンドラは突然に解雇を言い渡される。
社員たちにボーナスを支給するためにはひとり解雇する必要がある、というのだ。
ようやくマイホームを手に入れ、夫とともに働いて家族を養おうとしていた矢先の解雇。
しかし、同僚のとりなしで週明けの月曜日に16人の同僚たちによる投票を行い、
ボーナスを諦めてサンドラを選ぶ者が過半数を超えれば仕事を続けられることになる。
ともに働く仲間をとるか、ボーナスを取るか、シビアな選択……。
その週末、サンドラは家族に支えられながら、同僚たちを説得して回る。

 

会社はアジアが勢力を伸ばしている世界情勢の中で余裕はなく、
サンドラが休職している間に16人で仕事が回ることを実感した以上、
なにかを削らなければ17人雇うことはできない、と言う。
ある者は、サンドラ同様に妻が失業し、そのボーナスがなければ自分たちも生活ができない、と言う。
ある者は仕事で得る賃金だけでは足らず、休日さえも別の仕事をしていた。
ある者はサンドラを裏切るような形になっていたことに罪悪感を持っていた。
ある者は家族とサンドラの間に挟まれ、悩んでいた。

 

この町で転職しようにも仕事はほとんどない。
やっとありついた仕事を簡単に手放すことは難しい。
仕事を続けること、そしてボーナスが如何に重要か誰もが知っている。

 

それでも、説得するしかない、とサンドラを励ますマニュ。
マニュは“生活のため”だけでなく、自分を“必要のない人間”だと蔑むサンドラのために、
サンドラ自身が生きる自信を取り戻すために必死でサンドラを支える。

 

「ボーナスを諦めてほしい」と口にすることは簡単ではない。
まして、休職していたあとの後ろめたさもある。
そして、そこまでして会社に残れたところで仕事を続けられるのか、と苦しむサンドラ。

 

愛とかすかな希望を抱いて、彼女の長い週末が始まる。