『四月』
Aprili
1962-2000年<復元版>/グルジア/モノクロ/48分
*2000年カンヌ国際映画祭 特別招待作品<復元版>
監督:オタール・イオセリアーニ
脚本:オタール・イオセリアーニ、エルロム・アフヴレディアニ
撮影:ユーリ・フェドネフ
音楽:スルハン・ナシーゼ
美術:オニアニ
編集:オタール・イオセリアーニ
出演:ギア・チラカーゼ(彼)、タニア・チャントゥリア(彼女)
【解説】
家具も電化製品も持たず、愛だけを持ちこんでアパートに引っ越してきた一組のカップル。ところが、ほかの住民の生活を見ているうちにあれもほしいこれもほしいと物欲がムクムクと沸いてきて……。物質的な豊かさを求めるうちに心が通いあわなくなるものの、「ものなんかいらない。二人のあいだに愛さえあれば」と彼らが気づくまでを、セリフを用いずに映像と音(楽)だけで描いたイオセリアーニのデビュー作。二人の心が通いあうと電球が点灯したり突然蛇口から水が流れたり、ケンカをするシーンでは彼らに翻訳不可能のでたらめな言語をしゃべらせたりと、イオセリアーニの遊び心が随所にあふれている。ドキドキする気持ちを表すように早まったり、うれしさを表すように軽やかになったりする二人の足音や、ドアの開閉音、乗り物の音など細部にまでこだわった音と全編に流れる音楽が奏でる旋律が心地よい。
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