Bitters End
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『ハーフェズ ペルシャの詩』
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BITTERS END

ストーリー

シャムセディンは子どものときからタリーカ(※)でコーラン暗唱の修行をしていた。そして、見事試験に合格し、コーラン暗唱者だけに与えられる称号ハーフェズを獲得する。
シャリーア(※)の高位にある宗教者モフティ師の娘ナバートが母方の国であるチベットから帰ってきた。コーランをよく知らないナバートにハーフェズがコーランを教えることになる。
直接顔を合わせることなく、壁にある窓越しにコーランの授業が始まった。ペルシャ語もままならないナバートが、アラビア語のコーランを読むのは難しい。一語一語、丁寧に教えていくハーフェズ。好奇心旺盛で、コーランの意味を事細かに聞いてくるナバート。

「光を作るのはなに?」

「光よりも尊いものはなに?」

その問いへ答えるためサアディ(※)の詩を詠むハーフェズ。

君をなににたとえたらよいのだろう
形あるものとは違う
君は命なのだ

「あなたは詩人を信じるの?」

ハーフェズの中でナバートの声がどんどんこだましていく。

「怖いのです。彼女の声は私の心を波立たせます。不安で」

昨夜、あなたの髪のことを集まった人々が話し始めた
称賛の声はやむことがなく、夜が更けていく

隠れ読んだハーフェズのノートにあった詩を朗読するナバート。

「その詩をどちらで?」

「夢で聞いたの」

いたずらっぽく笑うナバート。思わず、ふたりは目を合わせてしまう。


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「結婚前の娘と詩を詠み交わし、視線を交わした」

ハーフェズは罪を問われ、ハーフェズの称号を剥奪される。
家も焼かれ、帰る場所を失ってしまうハーフェズ。
モフティ師のもとで学んでいる男とナバートは結婚することになる。婚儀の席で父モフティ師の顔を見つめるが、父は顔を背けるだけだった。従わざるを得ないナバート。
ハーフェズは「鏡の誓願」(※)を行うことにした。7つの村で鏡を拭いてもらい、そのお礼に相手の願いを叶えるもの。本来は恋を叶えるための儀式。だが、どうしても忘れられない恋を忘れるために旅に出るのだ。
砂漠で眠るハーフェズ。見る夢はナバートのこと。ナバートの表情、走る姿を思い描くハーフェズ。

愛の苦しみと別離の痛みを乗り越え
世界中を歩き回り最後に選んだ恋人
彼女が通った道の砂も私にはいとしい
昨夜の別れの言葉を思い出させるな

ハーフェズとナバート、ふたりは再び出会えるのだろうか……。


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