◆ストーリー◆
深い森を抜けて、大人になる。
ユキとニナはパリに住む9歳の女の子で大の仲良し。ユキはフランス人のパパと日本人のママと暮らしているが、最近は両親の仲が良くない。夏休みが始まる日、ユキはママから、パパと別れてユキと日本に帰ろうと思っていることを告げられ、大きなショックを受ける。ユキは、ニナとニナのママにそのことを相談する。ニナの両親も離婚をしていて、二ナはいまだに納得していない。ママに「どうしてもっと努力できなかったの?」と思わず本音をぶつける二ナ。
ユキとニナは離れ離れになりたくない。そして何よりユキの両親にもう一度仲良くして欲しいと願い、離婚をやめさせる作戦会議をする2人。そこでユキの両親が愛し合っていた頃を思いだすような手紙を、ユキのママに送ることを思いつく。その頃の両親の仲むつまじい写真の切り抜きや、プレゼントを入れて工夫を凝らした“愛の妖精”からの手紙を、日本式のお祈りで願いをこめて、ポストへ投函した。
数日後、日本に帰るための荷造りをしているユキのママに、“愛の妖精”からの手紙が届く。“なぜ離婚するのですか?悲しくなるのにお別れですか?” それを読んだ、ユキのママは、「きっと悲しくなるけど、今の方がもっと悲しいからパパとは別れるの。」と涙ながらに告げる。そして、ママが一足先に日本に旅立った夜、悲しみにくれるパパと話をするユキ。「たとえ東京へ行かせてもお前を見捨てたわけじゃない。落ち込まないで元気でいてくれ。ママと一緒ならきっと大丈夫、新しい土地で成長していける。」と、パパは必死でユキに愛情を伝えようとする。ユキとニナの想いは、なかなか大人たちには届かない。
そんなある日、ユキが1人で家にいると、ニナが大きな荷物を持ってやってくる。「ママと喧嘩をしたから家出をするの!」とニナ。ニナは以前からユキに両親を仲直りさせる為の作戦の一つとして、家出を提案していた。そこでユキも決心をかため、ついに家出をする。そして2人は森へとたどり着く―。