恐怖と死、醜い悪、強い愛……
監督は負の歴史を掘り起こし 愛が生きる力であることを教えてくれる
                  風吹ジュンさん(女優)
追いつめられた時、なによりも強いのはかけがえのない人への、愛だった。
主人公の過酷な運命に、胸が痛んだ。
逃げられない道が、人にはある。
                  南こうせつさん(フォークシンガー)
新鮮で恐ろしい!
監督は正邪善悪を主張せず、解説、誘導、結論といった劇映画のパターンも無視し、 すべてを観客の想像と判断にゆだねて、それぞれの生存本能と、愛情本能をあぶり出す。感服。
                  ジェームス三木さん(脚本家)
ファティ・アキン監督の映画は絶対見逃さない私。
凄惨な歴史を描いているのに、画面はたまらなく美しく、愛に溢れている!
まるで神話を見るようだ。
                  加藤登紀子さん(歌手)
どこか遠くにいる生きがいを求めて、彼は永遠の旅を続ける。
そのすがたは私たちに、神は頭上ではなく地上にいるのだと教えてくれる。
国籍や民族を超えた何者でもない人々の心の中に、自身の心の中に。
ラストシーンで誰もが誰かを思い起こすだろう。
身近にいて、失うことなどあり得ないと思っている大事な人を。感涙。
                  阪本順治さん(映画監督)
虐殺を逃れ、破れ靴さえ失った男は、引き裂かれた妻子を再び抱きしめるのだと信じて八年間、 干枯らびた荒野を、地球の半分を裸足で歩いた。
歩くことだけが彼の生きる証だった。感動的だ。
                  小山内美江子さん(脚本家)
これは一世紀前に封印された悲劇の物語りではない。
場所はほぼ同じくして繰り返される現実への糾弾でもある。
『消えた声が、その名を呼ぶ』というタイトルが胸を打つ。
                  やくみつるさん(漫画家)
人生は困難の連続。でも、でも人間は強い。
愛する者を持つ人は、こんなにも逞しく、優しく、美しく生きることができることを示してくれた映画。
久しぶりに拍手したくなった。人間ってすごい!
                  鎌田 實さん(医師・作家)
虐殺を生き延びた責任は、戦争の傷跡と向き合う旅路となる。
その光景を遠い過去の出来事として観てはいけない。
ファティ・アキン監督の、新たなる到達点。
                  松江哲明さん(ドキュメンタリー監督)
支配の力から遠い少数者の声はかき消されがちです。
けれど、ナザレットのささやきに耳を傾ければ、あなたと同じ思いが聞こえてきます。
                  池田香代子さん(翻訳家)
21世紀になっても悲劇は繰り返されている。
生き延びるには国を捨てるしかない、そんな人々が今もナザレットのような旅を続けている。
親子の絆を信じるために、彼は苦難に耐えられる。
古今東西不変の親子愛を高らかに歌い上げた賛歌でもある。
                  宮嶋茂樹さん(報道カメラマン)
哀しみに滲む孤独な主人公の愛の美しさに打たれた。
歪んだ歴史の狭間に、鉄鎖を打ち砕く奇跡の声が聞こえてくる。
この映画は生き抜く勇気と真実の愛を与えてくれる。
                  崔洋一さん(映画監督)
今だタブーのジェノサイドを怯むことなく描いた、人間の本質に迫る映画だ。
壮大で枯れ果てた静寂の中、主人公の究極の選択が迫られ、台詞が少ないだけに「あなたなら、その時どうする」と観る者の心に深く問いかける。
移民問題を共に考えなくてはならない今、是非、多くの人に観てほしい。
                  宮本亜門さん(演出家)
この世で地獄を見た男が神を捨て過酷な旅に出た。
その旅路を支えたのは、「心に神を宿した」人々だった。
その、美しく高貴なものこそが、戦乱が続く現代の希望なのだと深く静かに教えてくれる。
                  長倉洋海さん(写真家)
最高の激しさと美しさ、そして圧倒的な雄大さを備えている。
あらゆる意味において、私にとって非常に大切な映画である。
                  マーティン・スコセッシ監督
歴史上のタブーに触れた、壮大なる物語だ。
                 Indiewire
真摯で力強く、観るべき価値のある映画!
                 The Guardian