フランス公開時の絶賛評
壊れゆくものを撮ることはやさしいことではない。それには先ずは事態を認め、さらにそれに向き合うだけの勇気を持たねばならない。だからこそ諏訪敦彦はこれほどの思いやりと正しさをもって、壊れゆく関係を具体化することが出来たのだ。
――ル・モンド
演出における現代の冒険を受け継ぐ諏訪敦彦は、ロッセリーニ、ゴダール、ガレルの後を辿りつつも、演出を再創造する。
――カイエ・デュ・シネマ
映画は、掴み得ないものを掴めるのだということをこの映画は証明した。
――フィガロスコープ
諏訪敦彦の演出は、固定の長廻し、身振りの言語、内面的場面、人工的な光を多用し、不信に満ちながらも明るみを捜し求める魂や心情を描き出す。俳優はその心情に白熱する輝きを与えている。
――マダム・フィガロ
二人の繊細な俳優の即興による見事な作品。それぞれの場面から、深く、正確な、そして普遍的な音楽が響いてくる。真摯で、人の心を撃つ。
――ジュルナル・デュ・ディマンシュ
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