オゾン作品のミューズ、ヴァレリア=ブルーニ・テデスキなど、ヨーロッパを代表するキャスト、スタッフが結集
マリーを演じるのは、『ふたりの5つの分かれ道』などのフランソワ・オゾン作品で知られるヴァレリア・ブルーニ=テデスキ。別れることを決めた女性マリーの迷いと苛立ちを、セリフ、仕草、表情といったすべてで体現し、繊細かつ柔軟に演じている。相手役のニコラは、ヴァレリアと同じパトリス・シェロー門下のブリュノ・トデスキーニが“静”の演技で、“動”のヴァレリアを見事に受け止めている。
撮影を手掛けたのは、『H Story』に続いて、キャロリーヌ・シャンプティエ。フィックスと手持ちキャメラの2台を使って、二人の揺れ動く感情を光と影のなかに浮かび上がらせることに成功している。その他にも、フィリップ・ガレル、マルグリット・デュラスなどの作品で知られるドミニク・オーヴレイが編集を、クシシュトフ・キェシロフスキ『トリコロール』のジャン=クロード・ロルーが録音を手がけるなど、ヨーロッパの名匠の作品を支えるスタッフが結集している。