インパクト大!! な役者の皆様
「ムカつく」酒井大輔を演じるのは、山下敦弘監督第1作『どんてん生活』でロング・リーゼントの主人公・南紀世彦を演じ、2001年度キネマ旬報新人俳優4位にも選出された山本浩司。とてつもないインパクトを誇るその顔とキャラクターは一度見たら忘れられない。
そして、世の女性の共感と反発を一身に浴びる島田久子を演じるのは、本作が映画初主演の小寺智子。決して美人とは言えないが、ひたむきさがキュートな久子を熱演。どうしようもないダメ男についてゆくその姿に、悔しくなりながらも共感してしまう。
脇を固める役者陣も個性派揃い。酒井の幼馴染で抱腹絶倒の奇妙な演技を展開する尾崎役には、実際に山下監督の幼馴染である新人・山本剛史。クールでカッコイイ女・マドカに新人・細江祐子。大輔の父親役には数多くの映画やテレビ・舞台でも名脇役として活躍、最近では『アカルイミライ』の出演が記憶に新しい笹野高史。そして、女優であり、舞台演出家でもある木野花が母親役を飄々と演じている。
やっぱりインパクト大!! な音楽
『どんてん生活』に引き続き、映画音楽を担当したのは音楽集団・赤犬。総勢13名のバンドで関西を中心に活動。そのファンは音楽業界にも多く、カルト的な人気を誇り、モンゴル800やガガガSPとも親交を持つ。また、映画音楽では熊切監督作品などにも携わっている。
日本のカウリスマキ?! もしくはジャームッシュ?!
若干22歳で撮り上げた山下敦弘の初監督作品『どんてん生活』はゆうばり国際ファンタスティック映画祭2000 オフシアターコンペティションのグランプリ受賞を始め、各国の映画祭に出品。各地で笑いと絶賛の嵐を呼び、「まるで日本のアキ・カウリスマキ!」と評された。
そして、満を持して放つ山下監督第2作は、その名も『ばかのハコ船』。20代男女の奇妙な向上心が笑いと悲哀を呼ぶ、イタくて斬新なコメディだ。バンクーバー国際映画祭の他、様々な映画祭に招待され続け、各地で好評、山下節の万国共通性を証明した。
『ばかのハコ船』は山下監督25歳の作品だが、スタッフもまた、平均年齢20代と脅威の若さ! 20代男女の悲喜こもごもを同世代ならではの目線で描きつつも、その絶妙な間による笑いは若さよりもむしろ、熟練の技さえ感じさせる。さらに山下監督は、阿佐ヶ谷スパイダース主宰・長塚圭史と山本浩司のふたりを主演に迎え、第3作『リアリズムの宿』<原作:つげ義春、音楽:くるり>を既に撮影完了。2003年は山下敦弘から目が離せない!
★ この作品は財団法人東京国際映像文化振興会と日本芸術文化振興会の協力によって完成しました。
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