海外レビュー
これは時代を超えたテーマへの、誠実なアプローチである。
古風な趣を漂わせ、エキゾチックで美しい景色が、
一息つく時間を映画に与えてくれる。
観客は物語にのめり込み、楽しみ、感動し、感傷的にもなって、
そして明るい気分で劇場を去ることができる。
積み重ねられた時代が織りなす哀愁と美、
そして現代性のある語り口のみごとなコントラスト!
この未来へ向けられた物語は、かつて祖先たちが知り得て、
我々が忘れてしまった大切なことを思い出させてくれる。
牧歌的で異国情緒溢れる唯一無二の美しい映像。
そして、圧倒的な熟練の技術。
クバト監督は、普遍的な物語を生み出した。
『馬を放つ』は不思議な魅力がある作品だ。
素晴らしく連なるシークエンスの数々は、異様なまでに美しく、
現代社会において“伝統”とは一体何であるかを
主人公の姿によって考えさせる。
伝説や伝統は、そこに生きる人々をひとつにできるのか?
『馬を放つ』は問う。
シンプルかつ、深く心に迫るアプローチで描く、
感動的なキルギスの物語。
『馬を放つ』は、多くの観客に観られるべき大事な映画だ。
我々が持つ、古来の物語や価値観
―我々は何者で、どこから来たのか―
といった知識は、平和への鍵である。
『馬を放つ』へ続々絶賛コメント到着!
村人が馬を操るシーンの全てに目が釘付けになる。
文字通りのケンタウロス。
天と大地と人が馬によって一体化するような疾走は、
民族の魂の叫びのようだ。
梨木香歩さん(作家)
雄々しい神話の時代は、必ずどこかで現代の私たちとつながっている。 その切ない願望が心に沁みた。深く深く、切り裂くような傑作。
佐々木俊尚さん(作家・ジャーナリスト)
砂塵の舞う風の大地で、人間の声、血と汗、涙を、
みつめている馬たちの黒い目。
それはあまりにもうつくしく、あまりにも、かなしい。
いしいしんじさん(作家)
遊牧民の血によって紡がれた神話的なものがたり。
夜ごと馬を解き放ち、男は風のように駆ける。
母と子に、映画そのものに希望を託して。
赤坂憲雄さん(民俗学者)
これはキルギスのドキュメンタリー映画であり、
今を生きる我々への天からのメッセージである。
南こうせつさん(フォークシンガー)
変わりゆく世の中で失われたかに思えたケンタウロスの翼。 それは彼の背中に確かにあって羽ばたかずにはおられなかった。
そのうずきが解き放たれる瞬間、美しい景色が空と繋がり、観る人の野生を呼び覚ますようです。
ほしよりこさん(漫画家)
お伽話を観ているような映画だった。監督主演のアクタン・アリム・クバトがあまりにもチャーミング。
そっと静かに胸に染み入る映画だった。
竹中直人さん(俳優・映画監督)
裕福な者だけが持つ馬を解き放ち、人馬一体となる瞬間こそがケンタウロスにとって喜びの時。
それが正にキルギスのDNAなのだから。
草野仁さん(TVキャスター)
昨今の派手な映画の対極にありながら、最後まで惹きつけられた。抑え目の感情表現や映像美も素晴らしい。
キルギスという大地に心底共感させられる。
石川直樹さん(写真家)
これで本望だろ!あふれる涙を振り払い、僕は喜びの叫びを主人公に放った。 ラストでけして滅びることのない騎馬遊牧民の魂に同化されたのだ。
志茂田景樹さん(作家・よい子に読み聞かせ隊隊長)