◆ストーリー◆
国選画家ソンナム(キム・ヨンホ)は、妻を一人ソウルに残し、逃げるように韓国を離れ、かねてより憧れだったフランス・パリへとやってきた。市内の民宿に泊まり、街をぶらつくソンナム。毎日を怠惰に過ごすソンナムを見るにみかねた宿主(キ・ジュボン)が、パリ観光の案内役としてヒョンジュ(ソ・ミンジョン)という留学生とソンナムを引き合わせる。絵を学んでいるという彼女と共にソンナムはオルセー美術館へと向かい、クールベの「世界の起源」を鑑賞する。ヒョンジュがルームメイトの画学生をソンナムに紹介する。太陽のように溌剌とした彼女の名前はユジョン(パク・ウネ)。初めて会った時からユジョンの魅力に惹かれていくソンナム。「これは奇跡だ。こんな奇跡があるから人は生きていけるのかも」。だが、奇跡を感じて浮かれ気分のソンナムとは逆に、全くその気のないユジョン。「私は結婚してる男性とは付き合いません」。 ソンナムは宿主に案内されてパーティーへ出かける。場が盛り上がる中、ソンナムは北朝鮮から来た留学生ユン・ギョンス(イ・ソンギュン)に絡んで、場の空気を白けさせてしまう。 元彼女ミンソン(キム・ユジン)の自殺を新聞で知り、ショックを受けたソンナムはユジョンに会いにアパートを訪れる。「お前を抱いて横になりたい」「……張り倒してやりたいわ」だが、少年のように自分の想いを直球でぶつけるソンナムの姿に、ユジョンの心もまた、動き始めていた。 「俺と一緒にドーヴィルへ行かないか?」 ふたりの恋が、始まろうとしていた――。