サムとヨナタンは面白グッズを売り歩く冴えないセールスマンコンビ。現代のドン・キホーテとサンチョ・パンサのように、さまざまな人生を目撃する。臨終の床の老女は、天国に持って行くために宝石の入ったバッグを死んでも放さない。フェリーの船長は船酔いするため理容師に転職。現代のバーに立ち寄るスウェーデン国王率いる18世紀の騎馬隊・・・。何をやっても上手くいかない人たちの哀しくも可笑しな人生。万華鏡のような世界へと私たちを誘ってくれる。
面白グッズを売り歩くセールスマンコンビ。同じ簡易宿泊所に住み、日々一緒に過ごしているが、相棒を無神経に扱うサムと繊細で泣き虫なヨナタン、正反対の二人は口論が絶えない。
それでも、客の前に出れば、サムの決まり売り文句「ロングセラー商品は吸血鬼の歯です。とても長いキバが生えているとこがミソです」に合わせて、ヨナタンは次々に商品を付けて見せる。
海に出るたびに船酔いするため、義理の弟が経営する床屋で働きはじめるが、客の前で散髪は軍隊で習ったことがある程度と打ち明けてしまう。

ダンスレッスンを受けにくる若い男の生徒に気があり、レッスン中にダンスの動きを直す振りをしながら、男の体に密着し胸や腰を触る。男に手を振り払われてもやめようとしない。そんなある日、レストランで二人きりで会うことになるが――。

国王は、騎馬隊、歩兵たちとロシアのポルトヴァの戦場へ向かう途中、側近とともにあるバーを訪れる。国王は、そこで働く青年の手に触れ言い寄る「ハンサムな君は戦場にくるべきだ」

ロッタは、片足を引きずり、歌いながらお客に酒をくばる。金のない水兵たちは、金の代わりにキスで酒代を払う。

1953年、エルキストゥーナ生まれ。アーティストで、偉大な学者でもある。1974から76年の間、コンストファック美術学校でグラフィック・デザインを学んだ。2011年、ストックホルムにあるアートスペースWalla Scen!にて、回顧展が行われた。CM、TVシリーズ、ドキュメンタリー映画に出演する一方、新聞配達などの変わった仕事のキャリアもある。ロイ・アンダーソン作品では『愛おしき隣人』(2007)に端役で出演している。

1949年、ストックホルム生まれ。リハビリ診療所の助手として働いていた過去があり、水兵や便利屋の経験もある。『愛おしき隣人』(2007)に端役で出演。2009年には、アンダーソンが製作したアフトンボローゲット(スウェーデンの夕刊紙)のCMに出演している。