ある日、家族が揃った食卓で父ダヤが「わしは死期の訪れを感じている。バラナシに行こうと思う」と告げる。家族の不安をよそに、父の決意は固い。仕事人間の息子ラジーヴは仕方なく付き添うことを決める。
ふたりは長い時間をかけて目的の場所バラナシにある「解脱の家」に辿り着く。そこは幾つかのルールが決められ、様々な理由で人々が暮らしていた。すぐに住民たちに心を開くダヤと、なかなか馴染めないラジーヴ。
「解脱しようとしまいと、滞在は最大15日まで」。
一日一日とその日が近づき、ラジーヴは仕事の為に早く帰りたい気持ちと父が心配でならない思いに揺れる。
はじめは衝突しあうも、雄大に流れるガンジス河は、次第に父子の関係をほぐしていく。旅立つ者の心の動き、それを見守る家族のまなざし。果たして、ダヤは幸福な人生の終焉を迎えられるのか――?