Bitters End
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『そして、私たちは愛に帰る』
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BITTERS END

2007年カンヌ国際映画祭
最優秀脚本賞・全キリスト協会賞 受賞

親と子――そばにいても心をつなぎあえない、いちばん近い他人。
ドイツとトルコ、2000キロに渡ってすれ違う3組の親子が、 運命のままにめぐり合い、別れ、再びつながってゆく。
喪失の悲しみを乗り越えて、愛と希望を見いだす彼らの 「再生の旅路」を鮮烈に描いた名作が誕生しました。


ゆるすこと、愛すること。
運命をあるがままに受け入れて、私たちはまた歩きだす。

大学講師の息子と、息子を男手ひとつで育てあげ余生を娼婦と過ごす父。トルコからドイツに出稼ぎし娼婦となった母と、反政府活動家としてトルコを逃れた娘。友人を救うためイスタンブールに旅立つ娘と、娘の身を案じながらも愛情を伝えられない厳格な母――。ドイツとトルコ、2000キロに渡ってすれ違う3組の親子が、人生の旅路をさすらいながら“愛”そして“喪失から生まれる希望”を見いだすまでを描いた名作が誕生しました。
生と死は隣あわせ、すべての死は生誕である――そんなアキン監督の死生観をにじませながら、映画は、運命に導かれるままめぐり合い、別れ、そしてつながってゆく3組の親子を追っていきます。彼らの姿に、「幸せと不幸せ」「生と死」が背中あわせに存在する人生というものの不思議さといとおしさ、そして、だからこそ「いつだってやり直しができる」という大きな希望を感じずにいられないでしょう。



2007年カンヌ国際映画祭最優秀脚本賞&全キリスト協会賞受賞!
前作『愛より強く』でベルリンを、本作でカンヌを制した、若き俊英ファティ・アキン最新作

監督・脚本のファティ・アキンは、トルコ系移民二世として73年ドイツに生まれ、『愛より強く』(04)でベルリン映画祭金熊賞(グランプリ)をはじめヨーロッパ映画賞最優秀作品賞・ドイツ映画賞など数々の賞を受賞した若き俊英。最新作となる本作では、巧みな構成力とストーリー展開のすばらしさでカンヌを圧倒。カンヌ映画祭最優秀脚本賞と全キリスト協会賞を受賞したほか、ヨーロッパ映画賞など数々の栄誉に輝き、いま世界が最も注目する才能の一人となりました。また、ドイツに暮らす厳格な母親役でニュー・ジャーマンシネマの巨匠ファスビンダーのミューズ、ハンナ・シグラが登場。娘を喪う母親の悲しみを、内に秘めた強さを感じさせながら見事に体現し、心をゆさぶる名演を披露しています。





移民問題、EU加盟……
東洋と西洋がまじわる国、トルコ

アジア、ヨーロッパの交差点であり、東洋と西洋がまじわる国として長い歴史と美しい景観をもち、日本人にも人気の国、トルコ。3組の親子がドイツとトルコの2国間を交差していくなかで、トルコが抱える社会問題が登場人物たちの生活の背景に描かれているのも、本作の大きな見どころのひとつとなっています。
1960年代、西ドイツ(当時)では現業分野の人手不足を解消するためトルコから多くの移民を労働者として受け入れました。出稼ぎでやってきた彼らがトルコから家族を呼び寄せ定住した結果、現在のドイツには270万人ものトルコ移民が暮らしていますが、イスラム教とアジア文化に根ざし一大コミュニティを作り上げた彼らトルコ人に対する差別が社会問題となっています。また、トルコのEU加盟に関して、加盟を前提にした連合協定は63年に締結されていますが、キプロス問題、司法制度・人権保護の改善など加盟基準で今も交渉中です。