ストーリー

1970年代、ハンブルク。
留年が決定したペトラがカフェでタバコを咥えると、突然、男が火を差し出してきた。
男はペトラが去った後も、その後ろ姿をじっと見つめている。

バー<ゴールデン・グローブ>。
カウンターの端にいつもフリッツ・ホンカは座っていた。
女に酒を奢ろうと声を掛けても、「不細工すぎて無理」と振られるだけ。
注文もせずにひとりでポツンと座る中年女にフリッツが一杯奢ると、そっと横にやってくる。
「私はゲルダ。ありがとね」
フリッツとゲルダは店を後にする。

フリッツの部屋。
ゲルダには30歳になる独身の娘がいるらしい。
「ぽっちゃりして、可愛い子よ。肉を売っているの」 
「面白いな。娘を連れてこい」
ゲルダの娘に会うことを夢想するフリッツ。

ゴールデン・グローブ。
いつまでたってもゲルダは娘を連れてこない。
フリッツは3人で飲んでいる娼婦たちに声をかける。
「俺の家に来い。酒ならいくらでもある」
ひたすら酒を飲み続ける女たちは、言われるままにフリッツの家へ入っていく。

ある日、フリッツは車に突き飛ばされる。
それを機会に禁酒するフリッツ。
夜間警備員の仕事につき、真っ当に生きようと心に誓うのだった……。

実在した殺人鬼フリッツ・ホンカの詳細はこちら!