傑作! 人情味あふれる面白さの大勝利!
ドイツ映画史上初めて、心から面白いといえる162分。
なめらかで軽やかなタッチの、楽しさあふれるちょっとおかしな変化球。
映画は死んだ、という言葉を黙らせる映画があるとすれば、それは、『ありがとう、トニ・エルドマン』だ。
まさにセンセーショナル! 『ありがとう、トニ・エルドマン』は、偉大なる美であり、偉大なる感情であり、そして、偉大なる映画である。
腹がよじれるほど面白く、驚きの連続。正真正銘、観客を楽しませる作品だ。
『ありがとう、トニ・エルドマン』の輝きは、ただ事ではない!
素晴らしい! まさにノックアウト! この父と娘の物語は、優しく、笑いが止まらないほど愉快で、そして深く感動させる。
最も素晴らしく、最も奇妙で、最も真実味あふれる愛のかたち。
『ありがとう、トニ・エルドマン』は、ワイルドで創造的だ!
『ありがとう、トニ・エルドマン』はまったくもってイカれている!
この映画は氷と炎のようだ。人を驚かせる大胆さと、人を感動させる感情の両方が溢れている。笑いがはじけ、かつ心が揺さぶられる。
『ありがとう、トニ・エルドマン』は人を幸せにする映画だ。並はずれた知性と、誰もが楽しめる感情のセンセーションをあわせ持っている。
『ありがとう、トニ・エルドマン』は深刻にして軽快な悲喜劇だ。居心地の悪い思いをさせるかと思えば笑わせ、ほっとさせたかと思えば今度は泣かせる。シンプルだが独創的な、一陣の爽やかな風のような映画。
『ありがとう、トニ・エルドマン』は、その的確さ、162分というその長さ、リズム、俳優たちの例外的な演技、カメラの名人芸、それが喚起する問題のすべてにおいて、驚くべき映画だ。
この映画の成功は、繊細さと馬鹿馬鹿しさが同居する気違いじみたユーモアの、危うい、ほとんど奇跡的な配合のおかげである。
『ありがとう、トニ・エルドマン』を観に行くべき3つの理由。ユーモア。娘の生活を揺るがせるエルドマンの破壊的なユーモアが映画の全編に満ち溢れている。独創性。おかしくて感動的なこの映画は、その独創性で2016年最も刺激的な1本となった。俳優。ふたりの主演俳優の演技は完璧だ。
数々のおかしな場面の背後で、マーレン・アデは仕事に捧げられた人生を辛辣に批判し、父と娘の関係に温かな眼差しを向ける。
ユーモラスにして既成の価値観を転覆する、観ると呆気にとられる悲喜劇。非人間的世界の風刺であり、ストレス社会の喜劇、命がけのお芝居、マーレン・アデは笑いをとても真面目に捉えている。