スクリーン・インターナショナル、カイエ・デュ・シネマ、サイト&サウンドといった各国の有力誌がこぞって2016年の映画ベスト1に選んだのは、『ムーンライト』や『ラ・ラ・ランド』でもなく、『ありがとう、トニ・エルドマン』だった。
ワールドプレミアとなったカンヌ国際映画祭で公式上映されるや、カンヌは本作の話題で持ちきりとなった。スクリーン・インターナショナルの星取りでは、歴代最高得点3.7(4.0満点)を獲得。主要賞は逃したものの「観客と批評家にとってのパルムドール」と言わしめ、マスコミから絶賛された。既に公開されたドイツ、フランスでは異例の大ヒットを記録し、アカデミー賞ノミネートをはじめ、全米、ニューヨーク、ロンドンなどの映画批評家協会賞の外国語映画賞を受賞。ヨーロッパ映画賞では作品賞、監督賞、男優賞、女優賞、脚本賞と主要賞を総なめ! 世界の映画祭、映画賞を席巻している。
アメリカ公開の際に、本作を観て、惚れ込んだジャック・ニコルソンが、ハリウッド・リメイクを熱望! 引退表明していたにも関わらず、撤回しリメイク版で自ら父親役を演じるという。『ありがとう、トニ・エルドマン』はアカデミー賞の常連である大物俳優の心をも鷲掴みにした。