なにげないのに輝く日常の1コマ、溢れ出すユーモア。
山下敦弘監督ならではの愛おしい作品!
とにかく敦っちゃんが不細工で可愛い。
ロールキャベツの食べ姿、お父さんへの逆ギレ、中学生男子との関係。
諸々ほぐされました。
父の想い、タマ子の想い…。
カタチはそれぞれ違うけど、ココロはいっしょ。
みんななんとか生きている。
で、その先は?
なにかあるはず。きっと。
うまくいかないことの輝き。
置いてけぼりの時間の魅惑。
一生忘れない過ぎ去る季節。
前田、山下コンビでしか生まれない味わいに胸締め付けられる。
あっちゃんの、ちょっと変な、ちょっと滑舌悪い声は、とってもかわいい。
実はぐーたらしてるときにいちばんかわいい。
マンガ平積み。
菜っ葉を噛む音。
残響しない家のリズム。
おしこめられた生活。
ホントにフツーな家族の普通な暮らし。
山下節炸裂!!流石です!
タマ子ちゃんのような女の子は、たくさんいる。
でもどの「タマ子ちゃん」も、かけがえのない、たったひとりの「タマ子ちゃん」だ。
がんばれ、タマ子ちゃん!
仕事も身分も所属もなく、
肩身も狭くてどんよりして友達にも会えなかった
10年前の自分をまざまざと思い出した。
喜怒哀楽以外の表情と懐かしい背景、
最小限の台詞で立ち上がる世界が鮮やかだった。
いつも不機嫌で、ニコリとも笑わないタマ子。
本人は笑わないのに、思いっきり笑わせてくれて、
いつの間にか彼女のことが大好きになってます。
誰もが経験する停滞期……
でもどんな時も自分が人生のセンターにいれば大丈夫だと
この映画が教えてくれました。
タマ子な友達がいた。タマ子なオレがいた。
青春てタマらなくオモシロイ!タマ子がタマらない!!
何気ないシーンがすごくいい。
お父さんがすごくいい。
前田敦子、山下色のキラキラ、ステキ
きちんと出汁をとって蕎麦を作るタマ子の父。
そんなひと手間、子供は知る由もないんです。
私の父もそうでした。
ありがたや、ありがたや。
他人事とは思えないダラしないヒロイン。
横になりながら観たいです。
いつか親子の食卓を失くしても、
”うちのごはん”が愛しい気持ちは
ずっとずっと変わらない。
どうしようもない。
けど、
たぶん。必要だった時間。
繰り返したくないけど、きっとあとからなんども振り返るだろな。
物語の始まる前、からっぽの季節が、こんなに愛おしくなるなんて。
お尻についた毛玉、
ジャージからのぞいたふくらはぎ、
父親への横柄な態度、タマ子サイコー!
(敬称略/順不同)