Bitters End
配給作品
『素敵な歌と舟はゆく』
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ストーリー < 素敵な歌と舟はゆく
BITTERS END shopping gallary

Adieu!(さよなら)わたしの家族。
ワインでも飲みながら
友達と素敵な歌を歌って、
あとはかわいい犬がそばにいてくれれば、
もうなんにもいらない!

 パリ郊外に城のような屋敷があり、そこにはこんな家族が住んでいます。
 母親(リリー・ラヴィーナ )は少しの時間も惜しんでヘリコプターで忙しく移動し、仕事を片づけるやり手の実業家。派手でパーティが大好き。毎晩、客を招いては十八番のシューベルトの「さすらい」を披露しています。もちろん、お気に入りのペット、マラブー(大型コウノトリ)の自慢も忘れません。
 父親(オタール・イオセリアーニ)はお酒が大好き。お気に入りのものがあふれる部屋で、愛犬のラブラドール・レトリバーと一緒に、ワインを飲み歌を口ずさんだり、趣味の鉄道模型を眺めて過ごします。奥さんが仕事に出かけると、こっそり射撃に出かけたり、かわいい金髪のメイドにいたずらしたり・・・なかなか人生を謳歌している様子です。
 この2人には、まだ小さくてかわいい3人の娘と、ニコラ(ニコ・タリエラシュヴィリ /声の吹替:マチュー・ドゥミ )という息子がいます。
 ニコラは色々な才能にあふれていて、好奇心旺盛なお年頃。毎朝、スーツ姿で屋敷を出てはボートに乗り込んで、ラフな格好に着替えながらパリ市内へ向かいます。身分を隠して、物乞いの友達の手伝いやアルバイトに明け暮れ、カフェの看板娘ポーレットに恋してみたり・・・。でもそんな彼の好奇心が災いして、ついには大きな事件に巻き込まれてしまうのですが。
 こんな家族が出会うのは、拾ったネクタイでおしゃれして、借り物のハーレー・ダヴィッドソンを乗り回しナンパにいそしむ鉄道清掃員の青年(フィリップ・バ)。
 ニコラと鉄道清掃員の青年から一目惚れされる、ちょっと気が強くて美人のカフェの看板娘、ポーレット(ステファニー・アンク)。
 父親と意気投合してしまう、優雅な暮らしぶりのひげの浮浪者(アミラン・アミラナシュヴィリ)と愛犬、コーギーのイジドール。
 母親の商談相手でもあり、美しい愛人を何人も抱えている好色な中年実業家(マニュ・ド・ショヴィニ)。その部下で、なにをやっても失敗ばかりしているドジな黒人(アルベール・マンディ)。
 ニコラの友達の物乞いの青年(ジョアサン・サランジェ)。マラソンランナーの夫婦。パリへやってきたばかりのアフリカ人。盗品らしき聖像画を売りさばく移民の女たち。古物商。ビストロの女主人と眼鏡の息子。獣医にヴァイオリンを習う生意気な男の子などなど。

 こうしたすべての登場人物(動物)が、架空のパリを舞台に自由な時間を生き、繰り広げられる様々なエピソード。それらをなめらかなカメラワークが、まるでしりとりのようにつなげてゆきます。メリーゴーラウンドのようにくるりと一周、すべてのエピソードがつながった時、面白いだけではない様々な感情と物語があなたの中にわき上がり、人生の本当の豊かさに気付かせてくれるはずです。
 まったく世の中は厳しく、皮肉なことが起こるもの。
 でもそんな時こそノンシャランとほほえんで、ニコラの父親とひげの浮浪者のように船出しましょう。少し離れて見てみると、世の中はやっぱり美しいし、ワインでも飲みながら友達と素敵な歌を歌って、あとはかわいい犬がそばにいてくれれば、もうなんにもいらない!でしょ?

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