○余力為(ユー・リクウァイ)/撮影
1966年、香港に生まれる。ベルギー国立高等舞台芸術学院(INSAS)で映画撮影を専攻。 卒業後、香港に戻って撮影助手を務めるかたわら、インディペンデントで映画製作を始め る。1996年、中編ドキュメンタリー「ネオンの女神たち」で撮影・監督デビューを果た す。そのカメラセンスと演出が評価され、1997年山形国際ドキュメンタリー映画祭でシネ マ・ダイスキ賞を受賞。長編デビュー作『天上の恋歌』は、新人でありながら、1999年カ ンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品されるという快挙を成し遂げた。2003 年には長編第2作『オール・トゥモローズ・パーティーズ』を手がけ、また2004年の韓国 ・全州(チョンジュ)映画祭のオムニバス作品「三人三色」にポン・ジュノ監督と石井聰 亙監督とともに参加し、中編「夜迷宮」を出品した。 1997年に賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督の『一瞬の夢』に撮影監督として参加。その後 も、『プラットホーム』、『In Public』、『青の稲妻』、そして本作『世界』と、賈樟 柯作品になくてはならない存在となる。その他の撮影監督作品に、1999年ベルリン国際映 画祭コンペティション部門に出品された許鞍華(アン・ホイ)監督の「千言萬語」、王家 衛(ウォン・カーウァイ)監督の『花様年華』(撮影第2班)などがある。中国、香港だ けでなく、アジア各国をまたにかけた活躍で、撮影監督としても監督としても世界的に注 目されている。
1996年「ネオンの女神たち」 香港インディペンデント短編映画&ビデオ賞 グランプリ 山形国際ドキュメンタリー映画祭シネマ・ダイスキ賞
1999年『天上の恋歌』 カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品 香港国際映画祭国際批評家連盟賞 ストックホルム国際映画祭撮影賞 釜山国際映画祭審査員特別賞
2003年『オール・トゥモローズ・パーティーズ』 カンヌ国際映画祭〈ある視点〉部門正式出品
2004年「夜迷宮」 (*オムニバス作品「三人三色」の一編)
1998年『一瞬の夢』監督:賈樟柯
1999年「千言萬語」監督:許鞍華
2000年『花様年華』監督:王家衛 *(撮影第2班として参加)
2000年『プラットホーム』監督:賈樟柯
2001年「In Public」監督:賈樟柯
2002年『青の稲妻』監督:賈樟柯
2004年『世界』監督:賈樟柯
○林強(リン・チャン)/音楽
1964年、台湾の彰化に生まれる。台湾のロック・シンガー、作曲家としてカリスマ的人気 を誇る。侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督に俳優としての素質も見込まれ、93年『戯夢 人生』に出演。その後も『好男好女』『憂鬱な楽園』と続けて出演。『憂鬱な楽園』では 音楽も担当。また同じく侯孝賢監督の『ミレニアム・マンボ』でも音楽を手がけ、高い評 価を得る。その他の出演映画に『宝島/トレジャー・アイランド』、『天馬茶房』、『い わゆる親友』などがある。アルバム代表作は「向前走」「春風少年兄」。93年に発表した 「娯樂世界」以降、自らステージに立つことをやめ、プロデュースや作曲活動に専念。コ ンピューターを駆使した曲づくりに移行し、ノイズ、アンビバレントといったジャンルに まで才能を広げている。