1993年、僕は故郷を離れて進学のため北京に上京しました。「世界公園」は、ちょうどそ
の頃、北京郊外にオープンしたばかりでした。ある時、両親が汽車に12時間も乗って北京
に来てくれて、僕たちは「世界公園」へ出かけました。両親はとても興奮していました。
ピラミッド、タージ・マハール、エッフェル塔、ホワイトハウス、富士山などを見物して
歩き、まるで一日で世界一周旅行をしたみたいでした。
「世界公園」は北京市街から16キロメートルほどの距離に位置しています。40カ国の109
カ所もの著名な建築物が、10対1の比率で縮小されて再現されています。
僕は家族で行った「世界公園」のことを忘れることがありません。なぜなら、世界が突
然、自分たちの身近に思えたからです。実際のところは、より遠くなっていたのですが…
…。ケ小平の時代から、人々は期待を抱き始めました。長い間、閉鎖された暮らしをして
きた中国人は、世界に対して熱い想いを抱いていて、今なおその気持ちは続いています。
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