DIRECTOR
監督・脚本・製作
トム・フォード Tom Ford
『ノクターナル・アニマルズ』は、人生の中で私たちがなす選択がもたらす結果と、
それを諦めて受け入れてしまうことへの、警告の物語です。
すべてが、人間関係すらも、あまりに安易に捨てられる廃棄の文化にあって、
この物語は、忠誠、献身、愛を語ります。私たちみなが感じる孤独、
私たちを支えてくれる人間関係ををめぐる物語なのです。
──トム・フォード
1961年8月27日、テキサス州オースティン生まれ。ニューヨーク大学で美術史を専攻、編入したパーソンズ美術大学では建築を学ぶ。在学中に俳優を志しCM出演も果たす。スタジオ54ではアンディー・ウォーホルら時代の寵児たちと親交を深め、ファッションやアートの世界にも傾倒。その後、キャシー・ハードウィックとペリー・エリスのもとファッション業界で才能を発揮し、大きな注目を集める。94年、グッチのクリエイティブディレクターに就任。00年にはイヴ・サンローランとグッチグループ全体におけるクリエイティブディレクターに就任する。05年、自身の名を冠したブランドを設立。14年には、ファッション業界のアカデミー賞にあたるCFDA賞のジェフリー・ビーン生涯功労賞を、15年にはメンズウェア・デザイナー・オブ・ザ・イヤーなど、これまで七度の受賞に輝き、不動の地位を確立する。
一方、映画監督としての才能も発揮。自身のブランドの立ち上げと同じく05年、映画製作会社フェイド・トゥ・ブラックを設立。09年に、クリストファー・イシャーウッドの小説に基づく『シングルマン』で映画監督デビューを果たす。同作で監督のほか、共同脚本、製作も務めた。独特の映像美と世界観は高く評価され、主演のコリン・ファースはヴェネチア国際映画祭男優賞、英国アカデミー賞主演男優賞を受賞し、アカデミー賞®やゴールデングローブ賞など多数の賞にノミネートされるなど、一躍、世間に映画監督としての“トム・フォード”を知らしめた。長編二作目である『ノクターナル・アニマルズ』では、ヴェネチア国際映画祭で審査員グランプリを受賞。ゴールデングローブ賞では監督賞、脚本賞にノミネートされ、レイを演じたアーロン・テイラー=ジョンソンが助演男優賞に輝いた。そのほか、アカデミー賞®助演男優賞にマイケル・シャノンがノミネートされた他、英国アカデミー賞、映画批評家協会賞などに多数ノミネートされている。