『傷跡』*劇場初公開
76年/104分/主演:フランチシェク・ピエチュカ/グダニスク映画祭主演男優賞、審査員特別賞
長編劇映画デビュー作。工場の監督官に任命された誠実な男が、建設反対の住民との間で苦悩する姿を描く。“運命に翻弄される人間”を見つめたキェシロフスキのテーマが既に確立されている。
『アマチュア』
79年/112分/主演:イェジ・シュトゥール/モスクワ映画祭グランプリ、グダニスク映画祭グランプリ
「映像文化にとって真のコペルニクス的革命」と評された出世作。平凡な工場労働者が8ミリカメラを手にしたことから、周囲との軋轢が生じる。レンズを通して見つめることの危うさを描いた秀作。
『偶然』
81年/119分/主演:ボグスワフ・リンダ/グダニスク映画祭主演男優賞、銀獅子賞
列車に乗り込もうとする主人公が辿る運命を3つのエピソードに分けて語る、キェシロフスキの真骨頂と呼ぶべき快作。『スライディング・ドア』『ラン・ローラ・ラン』の原型とも言える画期的な作品。
『殺人に関する短いフィルム』
87年/85分/主演:ミロスワフ・バカ/カンヌ映画祭審査員特別賞、国際批評家連盟賞
キェシロフスキの名を世界中に知らしめた衝撃作。青年が衝動的に殺人を犯し、死刑になるまでを緻密な構成、リアルな描写で描く。ジュリー・デルピーは本作品に最も強い印象を受けたという。
『愛に関する短いフィルム』
88年/87分/主演:グラジナ・シャポウォフスカ/シカゴ映画祭主演女優賞
向かいのアパートに住む女性を覗く、孤独な少年。「見つめること」「見つめられること」による純粋な愛の形の結末とは?『殺人に関する〜』と同様に、『デカローグ』中の一編を長編化した名作。
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