監督
カナダ・ケベック州出身。20歳で来日し、70年代を日本で過ごす。京都に暮らす23歳のOLの日常をドキュメンタリー・タッチで描いた『Keiko』(79)で長編監督デビューし、外国人初の日本監督協会新人賞を受賞。87年、下半身のない少年を主人公にした『ケニー』で、カナダ人初となるモントリオール世界映画祭グランプリ、ベルリン国際映画祭UNESCO賞を受賞。同作はフランスで50万人を動員するなど大ヒットを記録し、世界中に配給された。2005年、日系カナダ人の青年と日本人陶芸家の叔父の交流を描いた長編7作目『KAMATAKI-窯焚-』で、モントリオール世界映画祭の監督賞、観客賞、国際批評家賞を含む史上初の5部門受賞を果たし、ベルリン国際映画祭のキンダー部門でも審査員特別賞を受賞。これまでのキャリアにおいてベルリン国際映画祭への出品は4回を数え、フランスのセザール賞にも外国作品としてノミネートされるなど、日本、北米、ヨーロッパで高い評価を集めている。
2年間の沖縄滞在時に書き上げた本作『カラカラ』では、第36回モントリオール世界映画祭の観客賞と「世界に開かれた視点賞」(Openness to the World Award)をダブル受賞。後者は「映画の登場人物たちが、個人レベルだけでなく、文化を越えてお互いを理解していくプロセスを非常にうまく描いている」という理由による特別賞である。