少女の強姦殺人事件。捜査担当のファラオンは、刑事らしくない、無垢でナイーブな男。彼は、下半身が剥き出しにされ、野ざらしになった無残な死体や、思いを寄せている女性ドミノの、恋人ジョゼフとのセックスを目撃するショッキングな体験をしながら、ただ悲しみとともに、それを静かに受け入れる。 進展しない捜査の一方で捉えられる、ファラオンと、ドミノ、ジョゼフの日常。田舎町の菜園や、町外れの道のどこまでも美しい風景。そうした張りつめた静謐さの作り出す異様な時間の流れと、性器もが映し出され、肉体のぶつかり合いとして描かれるセックスが、不安にさせるほどの強烈さで観る者に迫り、挑発していく。
ブリュノ・デュモン監督 衝撃のデビュー作
『ジーザスの日々』
(原題“LA VIE DE JESUS”)
BOX東中野にて上映中