「ひんやりするような、
あったかいような」毎日。
真夜中に出逢ったふたりが、明け方の街までくりひろげる一夜のロードムービー。そこには今この時をどこかで生きている人々の姿が映し出される。なんでもない毎日、いつもどおりの生活。映画はそんな私たちの「日常」を描き出す。やりばのない想いをどうにもできずにひとりで過ごす夜の時間、同じ哀しみに沈むトオルとナオは、偶然にも出逢い夜更けの街を歩いていく。ふたりのぶっきらぼうな距離感が少しづつ近くなってゆく過程。思いがけずに共通
の友人だったユウの死をふたりが次第に現実として受け入れていくさま。やがて訪れる新しい朝に、ふたりの気分は少しだけ軽くなっていく。積み重なるささやかな出来事、ゆるぎなく流れる時間、そこに生きる、人というちっぽけな存在の尊さ、愛しさ。作り手たちの「小さきもの」に対する温かいまなざしは、そのままフィルムに焼き付けられて、観るものに生きることの勇気と安心感を与える。そして、またこの世界にありのままの自分でいることの心地よさを教えてくれる。
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