最終電車に乗り遅れ夜の街をぶらつくトオルと、流れの静かな河に飛び込むナオ。
ふたりの間に痛みを残して、自ら逝ってしまったユウは
こんな毎日の何を生きていたんだろう…。
トオルとナオ、真夜中に出逢ったふたりはどこにいくでもなく歩き出す。
ひと気のない商店街を、ほの白く光る自動販売機の前を、 たわいのない会話を交わし、なんとなく歩く。
歩道橋の上から走る車の群を見下ろし、遠くに広がるビルの明かりを眺め、
夜ふけの街を、ただ歩き続ける。
流れゆく時間に身をゆだねながら、やがて歩き疲れたふたりの気分は、
ぼんやりと白み始めた明け方の空とともに軽くなって…
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