Loading...
アメリカの田舎町。牧師の父と母のひとり息子として愛情を受けながら、輝くような青春を送ってきたジャレッド。しかし、”自分は男性のことが好きだ”と気づいたとき、両親に勧められたのは、同性愛を”治す”という危険な矯正セラピーへの参加だった。〈口外禁止〉だという驚くべきプログラム内容。自らを偽って生きることを強いる施設に疑問と憤りを感じ、ジャレッドは遂にある行動を起こす…。原作は、NYタイムズ紙によるベストセラーに選ばれ、全米で大きな反響を呼んだ衝撃の〈実話〉。親と子はなぜ、互いの幸せを願うほどにすれ違ってしまうのか――。本当の自分を見つめた先に、誰にも奪うことはできない真実の愛が浮かび上がる。一筋の希望が胸を震わせる、圧倒的な人間ドラマが誕生した。
ジャレッドを演じるのは、本作で初主演を飾るルーカス・ヘッジズ。『マンチェスター・バイ・ザ・シー』では弱冠20歳にしてオスカー候補となり脚光を浴びた。本作では、葛藤を抱えながらも信念を貫こうともがく主人公を熱演、ゴールデングローブ賞にノミネートされた。さらには両親役には二コール・キッドマン、ラッセル・クロウらベテラン俳優陣が出演。また、奇才グザヴィエ・ドラン、本作へ楽曲提供もした注目のシンガーソングライターのトロイ・シヴァン、ロックバンド“レッチリ”のフリーら個性的な面々が脇を固める。メガホンを取ったのは、俳優としても活躍するジョエル・エドガートン。監督としては『ザ・ギフト』(15)以来2作目の長編作で、本作では監督、脚本、製作、出演とマルチな才能を発揮している。
原作者のガラルド・コンリーが実際に体験し、回顧録として実態を告白した「矯正治療(コンバージョン・セラピー)」での出来事。強制的に性的指向やジェンダー・アイデンティティを変更させようとする科学的根拠のないこの治療は、鬱や深刻なトラウマをもたらすだけでなく、自殺率の高さも指摘されている。米国では、規制は進んでいるものの現在も施され続けており、これまでに約70万人が経験、そのうち約35万人が未成年のうちに受けたといわれる。
牧師の父(ラッセル・クロウ)と母(ニコール・キッドマン)を両親にもつジャレッド(ルーカス・ヘッジズ)は、大学生となった。きらめくような青春を送るなか、思いがけない出来事をきっかけに、自分は男性が好きであることに気づく。意を決して両親にその事実を告げるが、息子の言葉を受け止めきれない父と母は困惑し、動揺する。

父から連絡を受けた牧師仲間が助言をするため、続々と家へやってくる。
父は問う。「今のお前を認めることはできない。心の底から変わりたいと思うか?」
悲しげな表情の母を見て、ジャレッドは決心する。「      はい」

母が運転する車に乗り込み、ジャレッドは施設へと向かう。「治療内容はすべて内密にすること」細かな禁止事項が読み上げられ、部屋へと案内される。白シャツの同じ服装の若者たちが弧を描くように椅子に腰を下ろしている。
「救済プログラムにようこそ!」12日間のプログラムが始まった      
1996年12月12日生まれ。アメリカ、ニューヨーク出身。父は『ギルバート・グレイプ』(93/ラッセ・ハルストレム監督)の原作・脚本を手がけたピーター・ヘッジズ。父が監督した「40オトコの恋愛事情」(07)で映画デビューを果たす。その後、ウェス・アンダーソン監督作『ムーンライズ・キングダム』(12)、『グランド・ブダペスト・ホテル』(14)などに出演。『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(16/ケネス・ロナーガン監督)で若干20歳にしてアカデミー賞®助演男優賞にノミネートされたほか、シカゴ映画批評家協会賞有望俳優賞など数々の賞に輝く。さらに同年、舞台「Yen」でオフ・ブロードウェイにデビューした。主な出演作に『スリー・ビルボード』(17/マーティン・マクドナー監督)、『レディ・バード』(17/グレタ・ガーウィグ監督)など。待機作に「Ben Is Back(原題)」(18/ピーター・ヘッジズ監督)、「Mid90s(原題)」(18/ジョナ・ヒル監督)が控える。若手実力派としていま最も熱い注目を集めている。
1967年6月20日生まれ。アメリカ・ハワイ出身。オーストラリアで育ち、14歳で映画デビュー。「デッド・カーム/戦慄の航海」(89/フィリップ・ノイス監督)の演技で注目を集め、ハリウッド進出。『ムーラン・ルージュ』(01/バズ・ラーマン監督)でアカデミー賞®主演女優賞にノミネートされ、『めぐりあう時間たち』(02/スティーヴン・ダルドリー監督)で同賞を獲得。その後も多くのヒット作に出演しながら、製作・出演した『ラビット・ホール』(10/J・C・ミッチェル監督)でも同賞にノミネートされる等、演技派スターとしての地位を確立した。主な出演作に『アイズ ワイド シャット』(99/スタンリー・キューブリック監督)、『パディントン』(14/ポール・キング監督)、『LION/ライオン ~25年目のただいま~』(16/ガース・デイヴィス監督)、『聖なる鹿殺し』(17/ヨルゴス・ランティモス監督)など。また、リース・ウィザースプーンとともに主演・製作総指揮を務めた「ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~」ではゴールデングローブ賞TV部門(ミニシリーズ・テレビ映画)で作品賞を受賞。待機作に主演作「Destroyer(原題)」(18/カリン・クサマ監督)、「The Goldfinch(原題)」(19/ジョン・クローリー監督)などがある。
1964年4月7日生まれ。ニュージーランド、ウェリントン出身。その後、オーストラリアに移住し『アンボンで何が裁かれたか』(90/スティーヴン・ウォレス監督)で本格的な映画デビュー。95年にサム・ライミ監督作『クイック&デッド』でアメリカ進出。97年、『L.A.コンフィデンシャル』での高級娼婦と恋に落ちる敏腕刑事役で、作品と共に高い評価を受ける。『インサイダー』(99/マイケル・マン監督)で初めてアカデミー賞®主演男優賞にノミネートされ、数々の賞を受賞。続く『グラディエーター』(00/リドリー・スコット監督)で、同賞主演男優賞に輝く。その後、アカデミー賞®作品賞を受賞した『ビューティフル・マインド』(01/ロン・ハワード監督)でも同賞主演男優賞にノミネートされ、3年連続で同賞ノミネートの快挙となる。主な出演作に『シンデレラマン』(05/ロン・ハワード監督)、『レ・ミゼラブル』(12/トム・フーパー監督)、『ナイスガイズ!』(16/シェーン・ブラック監督)など。更に、『ディバイナー 戦禍に光を求めて』(14)で監督デビューを飾る。10年にはハリウッド・ウォーク・オブ・フェームに名を刻む。待機作に「The True History of the Kelly Gang(原題)」(ジャスティン・カーゼル監督)など。
1995年6月5日生まれ。南アフリカ生まれ、オーストラリア育ちのシンガー・ソングライター。世界的YouTuberとしても知られ、これまでの世界ストリーミング再生総数は40億回以上。俳優としても活躍し、『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』(09/ギャヴィン・フッド監督)では主人公の幼少期を演じた。14年初メジャー作EP「TRXYE」が、全米アルバム・チャート5位、66か国のiTunesで1位。同年デビューアルバム「ブルー・ネイバーフッド」は66の国と地域のiTunesで1位、全米ゴールド・セールス(50万以上)。シングル「ユース」は全米プラチナ・セールス(100万以上)を達成。16年にはフジロックフェスティバルで初来日を果たす。18年リリースのセカンド・アルバム「ブルーム」の収録曲「Dance To This」では世界的歌姫アリアナ・グランデとのコラボレーションでも話題となった。各国の音楽、ファッション、カルチャー誌の表紙を飾り、米TIME誌が“2018年の完璧なポップ・スターだ”と評す、次世代スター。2013年、自身のYOUTUBEチャンネルで同性愛者であることを公表、様々な境遇にいる人から共感を呼んだ。『ある少年の告白』へ提供したシガー・ロスのヨンシーとのコラボ楽曲「Revelation」は、ゴールデングローブ賞主題歌賞にノミネートされた。
1991年2月21日生まれ。イギリス・ロンドン出身。ブリストル大学で英文学と演劇を学んだ後、名門セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマで演技を学ぶ。2015年のスクリーン・インターナショナル「スターズ・オブ・トゥモロー」に選出され、次世代の若手俳優として注目を集める。在学中アン・リー監督にその才能を見出され、「ビリー・リンの永遠の一日」(16)でスクリーンデビュー。その他の出演作に、『ベロニカとの記憶』(18/リテーシュ・バトラ監督)など。待機作には『女王陛下のお気に入り』(18/ヨルゴス・ランティモス監督)、『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』(18/ジョージー・ルーク監督)など話題作が続く。
1962年10月16日生まれ。オーストラリア・メルボルン出身。日本では“レッチリ”の愛称で親しまれるロックバンド、レッド・ホット・チリペッパーズの初期のメンバー。今やロック・シーン最強のバンドとして君臨し、多くのミュージシャンに尊敬されるベーシスト。映画にも度々出演し、『ビッグ・リボウスキ』(98/イーサン&ジョエル・コーエン監督)、『ラスベガスをやっつけろ』(98/テリー・ギリアム監督)『ベイビー・ドライバー』(17/エドガー・ライト監督)「Song to Song」(17/テレンス・マリック監督)などがある。
カナダ、ケベック出身。振付師マリー・シュイナー ルと画家デニス・ペレリンの 間に生まれる。これ までに『たかが世界の終わり』( 16/グザヴィエ・ドラ ン監督)、 『インフィニティ』( 17/ジェイソン・ストーン 監督)など。
1989年3月20日生まれ。カナダ、ケベック出身。4歳で俳優としてキャリアをスタートさせ映画、TV、CMに出演する。監督、脚本、主演を務めた長編デビュー作『マイ・マザー』(09)が、カンヌ国際映画祭監督週間で上映され、一躍話題に。その後も、監督作『胸騒ぎの恋人』(10)、『わたしはロランス』(12)が、同映画祭ある視点部門に正式出品。続く『トム・アット・ザ・ファーム』(13)はベネチア国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。翌年、『Mommy/マミー』でカンヌ国際映画祭審査員特別賞を獲得。『たかが世界の終わり』(16)で同映画祭のグランプリを受賞に輝くなど、新作を発表するごとに世界を魅了。最新作「The Death and Life of John F. Donovan(原題)」(18)では初の英語作品に挑戦。TVドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」で脚光を浴びるキット・ハリントン、ナタリー・ポートマンも参加する。一方、俳優としても活躍。主な出演作に『神のゆらぎ』(14/ダニエル・グルー監督)『エレファント・ソング』(14/シャルル・ビナメ監督)など。待機作に大ヒットホラーの続編「IT:Chapter2(原題)」(19/アンディ・ムスキエティ監督)が控える。
1974年6月23日生まれ。オーストラリア・ニューサウスウェールズ出身。ネピアン・ドラマ・スクールで学んだ後、数多くの舞台作品に出演。テレビドラマシリーズ「シークレット・ライフ・オブ・アス」(01~02)で脚光を浴び、『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』(02)、『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(05)ではルーク・スカイウォーカーの伯父、若き日のオーウェン・ラーズに抜擢。その後、『キンキーブーツ』(05/ジュリアン・ジャロルド監督)、『ゼロ・ダーク・サーティ』(12/キャサリン・ビグロー監督)、『華麗なるギャツビー』(13/バズ・ラーマン監督)、『ブラック・スキャンダル』(15/スコット・クーパー監督)など話題作に立て続けに出演。『ラビング 愛という名前のふたり』(16/ジェフ・ニコルズ監督)では、ゴールデングローブ賞主演男優賞にノミネートされた。その他『イット・カムズ・アット・ナイト』(17/トレイ・エドワード・シュルツ監督)、『レッド・スパロウ』(18/フランシス・ローレンス監督)などがある。
映画監督としては、『ザ・ギフト』(15)で念願の監督デビューを果たす。オリジナル脚本も手掛けた同作は、全米で4週連続TOP10入りのスマッシュヒットを記録した。待機作に、ティモシー・シャラメとリリー=ローズ・デップの共演が話題のNetflixオリジナルドラマ「The King」がある。
1985年生まれ。アメリカ、アーカンソー出身。19歳で参加した矯正治療のプログラムでの実体験から約10年の時を経て、「Boy Erased: A Memoir of Identity, Faith, and Family(消された少年:アイデンティティと信仰、家族の回想)」(16/未訳)を出版。ニューヨーク・タイムズで同年のベストセラー本に選ばれた。翌年、LGBTQを題材にした優れた文学作品に贈られる、ラムダ文学賞にノミネート。現在、12か国以上で翻訳されている。コンリーは自身の経験を基に、活動家として学校や施設に登壇。TEDでは矯正治療の実態を赤裸々に告白するとともに、国内外で廃止を支援している。「UnErased」というポッドキャストを配信、インタビューや資料を通して矯正治療の歴史を明かしている。最新作は、18世紀に生きたクィアを描いた小説を執筆中。現在、ニューヨークで夫とともに暮らしている。
1981年生まれ、スペイン・バルセロナ出身。スペインとイギリスで撮影を学ぶ。23歳の時にアルベール・セラ監督の長編映画「騎士の名誉」(06)を初めて手掛け、カンヌ国際映画祭ほか数々の映画祭で上映され話題となる。その後『シングルマン』(09/トム・フォード監督)で、その年の最も美しい作品と評され、主演のコリン・ファースは英国アカデミー賞を受賞、アカデミー賞®主演男優賞にもノミネートされた。以降も『フランス組曲』(14/ソウル・ディブ監督)、『未来を花束にして』(15/サラ・ガヴロン監督)、『アウトサイダーズ』(16/アダム・スミス監督)など幅広いジャンルの映画で撮影を担当。また、ミュージックビデオも数々手掛け、レディー・ガガ「ボーン・ディス・ウェイ」は、2011年MTVビデオ・ミュージック・アワードで最優秀女性アーティスト・ビデオ賞を受賞した。ジョエル・エドガートン監督とは『ザ・ギフト』(15)に続くタッグとなる。最新作にカルロス・ベルムト監督『シークレット・ヴォイス』(18)がある。
『複製された男』(13/ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督)でカナダ・スクリーン・アワードオリジナル作曲賞を受賞。ジョエル・エドガートン監督とは『ザ・ギフト』に続くタッグとなる。その他の主な作品に、『マーサ、あるいはマーシー・メイ』(11/ショーン・ダーキン監督)、『ジェーン・ドウの解剖』(16/アンドレ・ウーヴレタル監督)、NetflixオリジナルTVシリーズ「オザークへようこそ」などがある。
『複製された男』(13/ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督)でカナダ・スクリーン・アワードオリジナル作曲賞を受賞。ジョエル・エドガートン監督とは『ザ・ギフト』に続くタッグとなる。その他の主な作品に、『マーサ、あるいはマーシー・メイ』(11/ショーン・ダーキン監督)、『ジェーン・ドウの解剖』(16/アンドレ・ウーヴレタル監督)、NetflixオリジナルTVシリーズ「オザークへようこそ」などがある。