『ロゼッタ』“Rosetta” | ||
余分なものを全く撮し込まず、至近距離から手持ちのカメラで、ロゼッタの日常だけを記録する。 |
作品の背景に、失業問題という現代社会の抱える深刻な問題を描きつつも、人間に対する大きな希望を含んだ『ロゼッタ』の内容と、映画表現の新たな可能性を極限まで突き詰めた、監督ダルデンヌ兄弟の大胆なスタイルが、大きな衝撃と興奮を巻き起こした。 主人公ロゼッタとして、映画初出演ながら堂々たる演技を見せ、主演女優賞を受賞したエミリー・ドゥケンヌ。彼女の「ロゼッタとして映画の中で生きよう」という決心と体当たりの演技が『ロゼッタ』に小さな奇跡を起こしてのダブル受賞となった。 | |
レオス・カラックス、ジム・ジャームッシュ、北野武、デイヴィット・リンチ、ペドロ・アルモドバルなど、ここ数年の中でも最も豪華な顔ぶれと作品が揃った1999年カンヌ国際映画祭。その中から最優秀賞であるパルムドールに選ばれたのが、ベルギー出身の兄弟、リュック&ジャン=ピエール・ダルデンヌ監督の『ロゼッタ』である。 |