●ぼくは歩く,未来をつかむために 9歳の少年ファルハード。両親が出生届けを出さなかったため、戸籍も身分証も持っていない。だから、学校に通 うこともできず、働き口を見つけても断られてばかり。それでも家計を助けるため働かなくてはならない。ファルハードは仕事を求めて街中を歩き回る。身分証を取るため、たった一人で役所へと向かう。ちゃんとした仕事を手に入れることができる日を、そしていつか学校で勉強できる日を夢見て。
ファルハードは決してへこたれない。自分なりの方法で、目的へと向かって進んでゆく。走ることなく、ゆっくりと、急いで、歩いてゆく。彼の瞳は、前を、未来を見据えて輝いている。観る者は、いつの間にかファルハードの生き方を応援し、そして彼の生き抜いていこうとする"強さ"に励まされるのである。