三宅唱監督『旅と日々』

イントロダクション
第78回ロカルノ国際映画祭金豹賞《グランプリ》&ヤング審査員賞特別賞W受賞‼
世界が熱い視線を注ぐ三宅唱監督最新作
『ケイコ 目を澄ませて』(22)、『夜明けのすべて』(24)などで映画賞を席巻し、現代日本映画界を牽引する三宅唱監督の最新作『旅と日々』。原作は、つげ義春の「海辺の叙景」「ほんやら洞のべんさん」。2020年フランスのアングレーム国際漫画祭で特別栄誉賞に輝いた稀代の漫画家の、初版から50年以上を経た2作を三宅監督が見事な手腕で現代的にアップデートした。そして、世界で最も歴史ある国際映画祭の一つであるロカルノ国際映画祭にて日本映画では18 年ぶりとなる金豹賞《グランプリ》に加え、ヤング審査員賞特別賞をW受賞。既にUS、フランス、韓国、中国、台湾、香港、インドネシア、ポルトガル、ギリシャでの配給も決定するなど、世界が最も注目している日本映画監督と言っても過言ではない。
主人公・李を演じるのは、『新聞記者』(19)で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞し、韓国出身ながら日本映画界に不可欠な俳優シム・ウンギョン。共演に映画、テレビ、舞台と縦横無尽に活躍する堤真一、2024年の映画賞を多々受賞した河合優実、話題作への出演が続く髙田万作、さらに、つげ義春作品に欠かせない俳優・佐野史郎を加え、屈指の実力派俳優陣が集結した。
小さな旅や見知らぬ人との出会いが心の隙間を埋めていく――。
強い日差しが注ぎ込む夏の海。ビーチが似合わない男が、陰のある女に出会い、ただ時を過ごす――。脚本家の李は行き詰まりを感じ、旅に出る。冬、李は雪の重みで今にも落ちてしまいそうなおんぼろ宿でものぐさな宿主、べん造と出会う。暖房もなく、布団も自分で敷く始末。ある夜、べん造は李を夜の雪の原へと連れ出すのだった……。
恋愛や友情、仕事の同僚でもない、名のない関係性の登場人物たち。人と人、その背景にある時間と空気までをも丁寧にすくい取る。これまでの作品同様に、三宅唱監督はかすかなきっかけで心が回復していく様を描き出す。旅先での小さな出会いが、ほんのちょっと、それでも確かに人生を変えることがある。誰しもの人生に寄り添うようなあたたかく優しい視線が観る者の心をそっと包み込む、目にも耳にも鮮やかな傑作が誕生した。
ストーリー
強い日差しが照りつける夏の海。海岸でぼんやりと過ごしていた夏男はどこか陰のある女・渚に出会う。何を語るでもなく、なんとなく島を散策する二人。翌日、浜辺で顔を合わせた二人は、台風が近づくなか雨に打たれながら、波打つ海で泳ぐのだった......。
海で出会った二人の姿が、大学の講義室のスクリーンに映し出されている。つげ義春の漫画「海辺の叙景」を原作に脚本家の李が脚本を書いた映画を、授業の一環で上映していたのだった。上映後、李は学生から映画の感想を問われ、「私には才能がないな、と思いました」と答える。講義を終えた廊下で、李は魚沼教授と立ち話をする。浮かない顔の李に「気晴らしに旅行にでも行くといいですよ」と飄々とした口調で声をかける教授。ほどなく、魚沼教授が急逝したという知らせが届く。李は弔問のため、教授の弟の家を訪れる。あっけない最期に戸惑う李に、弟は教授の形見のフィルムカメラを半ば押しつけるように手渡す。
長いトンネルを抜けると、そこには一面の銀世界が広がっていた。無計画のまま降り立った町で、宿も見つけられずにさまよううち、李はひとつの古びた宿にたどり着く。屋根には雪が積もり、今にも崩れそうなその宿を営むのは、ものぐさな主人・べん造。暖房もなく、まともな食事も出ず、布団すら自分で敷かなければならない。ある夜、べん造は「錦鯉のいる池を見に行くか」と李を夜の雪の原へと連れ出すのだった......。
出演
シム・ウンギョン
李(イ)役
1994年5月31日生まれ。映画『サニー 永遠の仲間たち』(11/カン・ヒョンチョル監督)で主人公·ナミの高校時代を演じて注目され、70歳の老女が20歳に若返るコメディ『怪しい彼女』(14/ファン・ドンヒョク監督)で第50回百想芸術大賞の最優秀主演女優賞をはじめ数々の女優賞を受賞。
日本でも、映画『新聞記者』(19/藤井道人監督)で第43回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、第74回毎日映画コンクール女優主演賞を受賞し注目を集めると、『ブルーアワーにぶっ飛ばす』(19/箱田優子監督)でも第34回高崎映画祭最優秀主演女優賞などを受賞。『椿の庭』(21/上田義彦監督) では富司純子とW主演を務めた。
2024年には主演を務めた映画「The Killers」 (キム·ジョングァン監督、ノ·ドク監督、チャン·ハンジュン監督、イ·ミョンセ監督)が第29回釜山国際映画祭 Korean Cinema Today Panorama部門に出品されるなど、日韓の幅広いジャンルの作品で活躍している。
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本作の出演について
三宅唱監督とご一緒できたらいいなとずっと思っていました。でも、まさかこんな早くチャンスが来るとは思わなかったので、最初はお話を聞いて、嘘でしょう?と言った記憶があります。ここ数年間で読んだ台本の中で最も好きな物語の台本でした。
演じた李について
本作は自分の自然体そのままで入ることが大事だと思い、旅に来て自分自身が感じていることを表現しました。悩んだときは監督に相談して、一緒に作り上げていく作業がすごく楽しかったです。
三宅唱監督との仕事について
すごくパワフルで、とても素晴らしい監督だなと思いました。
この現場で、今まで経験できなかったことを新たに経験できて、
お芝居に関しても、映画に関しても学びましたし、
響いたことがたくさんあります。
堤さんについて
堤さんからインスパイアをたくさんいただきました。
すごく会話があるわけじゃないですが、
何かつながっているような気持ちもあって、
こういうことを絆っていうんだろうなと思いました。
まさに「旅と日々」という映画は
そんな「絆」に関しての映画であるということを実感した日々でした。
どのような作品になりそうか
李という役は、私でもあり、そして皆さんでもある。
皆さんが映画を見て、李とともに映画館で旅をすることができたら、
それは何より嬉しいですね。
完成をとても楽しみにしています。
つげ義春さん原作について
つげ義春さんの漫画を読むと、物語は静かに進み、
何事も起こってないようなのに、大きく響いてくるものがある。
そういうつげさんの漫画の力をたくさんいただいて、
李という役を頑張ろうと決めました。
堤真一
べん造役
1964年7月7日生まれ、兵庫県出身。『弾丸ランナー』(96/SABU監督)で映画初主演を果たし、00年のドラマ「やまとなでしこ」で幅広い世代の支持を獲得する。映画『ALWAYS 三丁目の夕日』(05/山崎貴監督)で日本アカデミー賞の最優秀助演男優賞ほか国内の映画賞を多数受賞。『クライマーズ・ハイ』(08/原田眞人監督)、『神様はバリにいる』(15/李闘士男監督)、『決算!忠臣蔵』(19/中村義洋監督)などで主演を務める。ほか『容疑者Xの献身』(08/西谷弘監督)、『土竜の唄』(14/三池崇監督)、『日本のいちばん長い日』(15/原田眞人監督)、『本能寺ホテル』(17/鈴木雅之監督)、第45回日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞した『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』(21/江口カン監督)、『お前の罪を自白しろ』(23/水田伸生監督)など数多くの話題作で活躍している。最近の作品に映画『室町無頼』(1月17日公開/入江悠監督)、『木の上の軍隊』(7月25日公開/平一紘監督)、『アフター・ザ・クエイク』(10月3日公開/井上剛監督)、舞台「ライフ・イン・ザ・シアター」(9月5日より上演)がある。
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本作の出演について
つげ義春さんの独特の世界観で、特別なことは何も起きないけれど、ちょっとしたことが「それも人生」と思える作品だと思いました。脚本を読んで「ぜひやらせていただきたいです」と即答しました。
演じたべん造役について
とにかく言葉が難しかったので、撮影に入る前から何度も方言指導のテープを聞いていました。普段はここまで全部覚えることはないのですが、今回は、初めてと言っていいほど、しっかりと叩き込んでから撮影に入りました。また、セットや衣装もとても助けになりました。
三宅唱監督との仕事について
三宅監督の演出は無駄がなくて、とてもシンプルです。かといって決め付けるのではなく、現場で一度芝居を見て、動きも見る。「不思議な世界」だけど「非現実的」ではない、とても現実的な表現でこの作品を捉えられている気がします。「こんなことは初めてなんですけど」と監督はおっしゃっていましたが、一度リテイクしたシーンがあるのですが、それでかなりそぎ落とされたんです。リテイクって面倒な作業ですが、監督の機転の利かせ方や流れの変え方を見ることができて、すごく面白かったです。
共演したシム・ウンギョンさんについて
日本語ができる韓国人の役ですから、彼女らしさが存分に出ているのではないかと思いました。撮影の間も、いつも楽しそうで、明るい方ですね。
どのような作品になりそうか
特別なことは何も起きない、その土地で生きる人、不器用に生きる人の物語です。高級店ではなくて、おじいちゃんとおばあちゃんがやっている町中華のほうが安心するような感覚。妙に落ち着けて、クスっと笑えるような、そういう作品になると思います。
河合優実
渚役
2000年12月19日生まれ、東京都出身。2021年に映画『サマーフィルムにのって』(松本壮史監督)、『由宇子の天秤』(春本雄二郎監督)での演技が高く評価され、各賞の新人賞などを受賞。2023年に『少女は卒業しない』(中川駿監督)で映画初主演、「家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった」でドラマ初主演を務める。2024年に主演映画『ナミビアの砂漠』(山中瑶子監督)、『あんのこと』(入江悠監督)で第48回日本アカデミー賞、第67回ブルーリボン賞、第98回キネマ旬報ベスト・テンなどの主演女優賞を受賞。近年では映画『敵』(吉田大八監督)、『悪い夏』(城定秀夫監督)『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』(大九明子監督)、『ルノワール』(早川千絵監督)、連続テレビ小説「あんぱん」など話題作への出演が続いている。舞台「私を探さないで」が10月11日より本多劇場にて上演。
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本作の出演について
『きみの鳥はうたえる』が大好きで、いつか三宅監督とご一緒したいと思い続けていたので、すごく嬉しかったです。
脚本を読んで
ふたつの原作を、夏と冬でメタ的に構成しなおすことに驚きがあり、とても面白いと思いました。また、三宅監督が何か新しいことに挑戦している印象があったので、一緒に映画を作ることが楽しみな脚本だと思いました。
三宅唱監督との仕事について
最初に、「監督と演者というより、一緒に作っていく人として接します」と言ってくださったのですが、それがすごく嬉しかったです。三宅さんは気さくで話しやすい方ですが、環境づくりはとにかく丁寧で、素晴らしい現場でした。
完成した映画を観て
傑作だ、と思いました。ほんのささやかな物語の中に、無数の感慨があります。全てのカットが、本当に美しいものを撮っている、または、本当に畏れながら撮っている、という感じがして、そういう意味での嘘のなさに、感動しました。皆さんの素晴らしい仕事の結集だと思います。自分がこの映画の中に残っていることが嬉しいです。
髙田万作
夏男役
2006年12月1日生まれ、東京都出身。2021年、12人の監督と豪華キャストの共演による12本の物語からなるオムニバス映画「DIVOC-12」のひとつ『海にそらごと』(21/齋藤栄美監督)で主演デビュー。李相日監督にとって初の海外作品でもあるAppleTV+「PACHINKO」のシーズン2において主要キャストのひとりに抜擢され、存在感を放つ。その他、ETV特集「ある子ども」主演、第46回日本アカデミー賞で6部門受賞した『流浪の月』(22/李相日監督)に出演している。11月22日より、筒井真理子とW主演を務める『もういちどみつめる』(佐藤慶紀監督)が公開。
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本作の出演について
オーディションの話を頂いた時から、三宅唱監督作品という事もあり「絶対にやりたい」と思っていましたし、自分にとって必ず転機になる作品だと確信していました。合格の連絡をもらった時は、プレッシャーもありましたが、それ以上に早く現場に入りたい気持ちが強かったです。
脚本を読んで
原作の、「海辺の叙景」の少し怖くて、でも目を離せないあの感覚が、脚本に上手く落とし込まれているなと思いました。読みながら、この先2人はどんな結末を迎えてしまうんだろうと、少しゾワゾワした気分になりました。
三宅唱監督との仕事について
監督自身が、現場をすごく楽しまれてるなと思いました。いつも笑顔で、スタッフの方と楽しそうに試行錯誤されてる姿が、すごく印象的でした。演技指導に関しても、監督の言葉ひとつひとつが信頼に満ちていて、難しい演技にも安心して挑戦することができました。
完成した映画を観て
ただそこに立って、風を受けながら、場所に身を委ねる。旅なんてそれだけで十分だと思える映画でした。言葉に囚われていた主人公が、この旅を通して少しずつほどけていく様な感覚が、皆さんにも伝わればいいなと思います。素敵な作品に関わることが出来て光栄でした。
佐野史郎
魚沼役
1955年3月4日生まれ、島根県出身。86年、林海象監督『夢みるように眠りたい』の主演で映画デビュー、92年、TVドラマ「ずっとあなたが好きだった」の冬彦役で強烈なインパクトを放つ。その後も舞台、映画、TVドラマと数多くの話題作に出演する。十代よりつげ作品を愛読し、『ゲンセンカン主人』ではつげ義春本人をモデルにした売れない漫画家の津部を演じた。『アオショー!』(山口喬司監督)が9月5日より公開。
スタッフ
監督・脚本
三宅唱
1984年7月18日生まれ、北海道出身。映画美学校フィクションコース初等科修了、一橋大学社会学部卒業。長篇映画『Playback』(12)がロカルノ国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門に正式出品されると、『THE COCKPIT』(14)、『きみの鳥はうたえる』(18)などで注目を集める。さらに『ケイコ 目を澄ませて』(22)が第72回ベルリン国際映画祭エンカウンターズ部門正式出品、『夜明けのすべて』(24)が第74回ベルリン国際映画祭フォーラム部門に正式出品されたほか、国内の映画賞を席巻。他にビデオインスタレーション作品「ワールドツアー」や星野源「折り合い」のMVを手掛けるなど、幅広い映像分野で活躍する。
『旅と日々』は日本映画界に18年振りとなるロカルノ国際映画祭で最高賞である金豹賞をもたらした。
Filmography
長編映画
2010『やくたたず』
2012『Playback』
第65回ロカルノ国際映画祭インターナショナル・コンペティション部門正式出品
第22回日本映画プロフェッショナル大賞新人監督賞
第27回高崎映画祭新進監督グランプリ
映画芸術2012年日本映画ベスト・テン第3位
2015『THE COCKPIT』
第15回ニッポン・コネクション ニッポン・ヴィジョンズ部門審査員賞
2017『密使と番人』
2018『きみの鳥はうたえる』
第69回ベルリン国際映画祭開幕、フォーラム部門
第92回キネマ旬報ベスト・テン第3位/主演男優賞
第73回毎日映画コンクール 音楽賞/男優主演賞
第40回ヨコハマ映画祭 日本映画ベスト・テン第8位
第10回TAMA映画賞 最優秀新進監督賞
映画芸術 2018年日本映画ベスト・テン1位
第28回日本映画批評家大賞 主演女優賞
2019『ワイルドツアー』
2022『ケイコ 目を澄ませて』
第72回ベルリン国際映画祭エンカウンターズ部門 正式出品
第77回毎日映画コンクール 日本映画大賞/監督賞/女優主演賞/撮影賞/録音賞
第96回キネマ旬報ベスト・テン 読者選出日本映画監督賞/日本映画ベスト・テン第1位/主演女優賞/助演男優賞
第32回日本映画批評家大賞 監督賞
第36回高崎映画祭 最優秀作品賞
第46回日本アカデミー賞 最優秀主演女優賞
第45回ヨコハマ映画祭 2023年度日本映画ベスト・テン第1位/作品賞/審査員特別賞
2024『夜明けのすべて』
第79回毎日映画コンクール監督賞日本映画大賞/監督賞/TSUTAYA DISCAS映画ファン賞
第48回日本アカデミー賞優秀作品賞/優秀監督賞/優秀主演女優賞
第98回キネマ旬報ベスト・テン 日本映画ベスト・テン第1位/日本映画監督賞/主演男優賞/読者選出日本映画監督賞
第75回芸術選奨新人賞 映画部門
第14回北京国際映画祭 最優秀芸術貢献賞
第16回TAMA映画賞 最優秀作品賞/最優秀女優賞/最優秀新進男優賞
第46回ヨコハマ映画祭 作品賞/日本映画ベスト・テン第1位
Filmarks Awards 2024 国内映画部門 優秀賞/クリエイター部門 監督Fan!賞
第37回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞/ファンが選ぶ最高作品賞/ファンが選ぶ最高演技賞
おおさかシネマフェスティバル 日本映画作品賞
第49回報知映画賞 邦画作品賞(読者投票1位)/監督賞(読者投票1位)/主演男優賞(読者投票1位)/主演女優賞(読者投票1位)/助演男優賞/助演女優賞ノミネート
第67回ブルーリボン賞 作品賞ノミネート
第18回アジア・フィルム・アワード 助演男優賞/脚本賞/音楽賞ノミネート
2025『旅と日々』
第78回ロカルノ国際映画祭金豹賞/ヤング審査員賞特別賞
短中篇映画
1999『1999』
2005『4』
2006『マイムレッスン』
2008『スパイの舌』
2013『ブラジル旅行』『TREE HOUSE』『Me Ke Aloha Letter From Tomomi』
2014『4:45』
2015『物質試行 58:RETURN OF BRUNO TAUT』(共同監督:鈴木了二)『4:45 2nd Chance』
2016『映画館最後の日』『余興』『長浜』『八月八日』
2017『エミリーの日記』
2019『SCENE35』
2021『土手』『ひらく』
2022『ROAD MOVIE』『ジョン・フォードと「投げること」』完結編(共同監督:蓮實重彥)
『無言日記』シリーズ
2015『無言日記2014』
2016『無言日記2015』
2017『無言日記2016』
2019『無言日記2018』
ビデオインスタレーション
2018《ワールドツアー》(三宅唱+YCAM)
2019《July 32, Sapporo Park》(三宅唱+SCARTS)
ドラマ
2020『呪怨 呪いの家』第一話―第六話
2022『神木隆之介の撮休』第一話、第五話
2023『杉咲花の撮休』第五話、最終話
ミュージックビデオ
2013大橋トリオ『MAGIC』
2014河西智美『キエタイクライ』
2015OMSB『ActNBaby』
2016Hi’Spec『BUG』
2017Hi’Spec『Phantom Band』,Hi’Spec『Goin Back To Zama City』,Rat Child『86400』
2018Sunnyday Service『Tokyo Sick』,GEZAN『Body Odd』,GHPD『Body Odd』,butaji『あかね空の彼方』
2019Dos Monos『Agartha』
2021星野源『折り合い』,butaji『free me(Lyric Video)』
2022OMSB『Nowhere』
2023never young beach『帰ろう』
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つげ義春さん、つげ正助さんに心より感謝申しあげます。ここ数年、家でも旅先でもマンガや紀行文をくりかえし読んできました。畏怖すら覚えるほど面白く、逃げ出したくなる日もありましたが、編集中のいま、とことん新しい映画が生まれそうだという感触があります。シム・ウンギョンさん、堤真一さん、各部署の仕事は驚くほど純度の高いものです。ぜひ大きなスクリーンで堪能していただきたい。ぞわぞわしながらお待ちください。
原作
つげ義春
漫画家・随筆家。1937年、東京葛飾区生まれ。小学校卒業後、兄の勤務先のメッキ工場に見習工として勤務。職を転々としながらも漫画家を志し、1954年、17歳で実質的デビュー。1955年、「白面夜叉」で本格的にデビューし、貸本漫画で活躍。 1965年から月刊漫画「ガロ」誌を中心に珠玉の短編の数々を発表し注目を集める。 1967年に「海辺の叙景」「紅い花」、1968年に「ほんやら洞のべんさん」「ねじ式」を発表。 国内外で熱狂的なファンがおり、「無能の人」「ねじ式」「リアリズムの宿」そして「雨の中の慾情」など映画化される度にさらに注目を浴びている。 2020年、フランスのアングレーム国際漫画祭で特別栄誉賞を受賞し、渡仏した紀行本も話題となった。 漫画を芸術の域まで高めたことが評価され、現在、日本芸術院会員。旭日中綬章受章。
代表作
1966「沼」「チーコ」
1967「蟻地獄」「李さん一家」「海辺の叙景」「紅い花」「西部田村事件」
1968「長八の宿」「ほんやら洞のべんさん」「ねじ式」「ゲンセンカン主人」「もっきり屋の少女」
1970「蟹」「やなぎ屋主人」
1973「下宿の頃」「懐かしいひと」「リアリズムの宿」
1974「枯野の宿」「義男の青春」
1975「庶民御宿」「退屈な部屋」
1976「夜が掴む」
1979「必殺するめ固め」「ヨシボーの犯罪」
1980「会津の釣り宿」
1981「少年」「雨の中の慾情」
1984「散歩の日々」「ある無名作家」「池袋百点会」
1985「隣の女」「石を売る」「無能の人」「鳥師」
1986「探石行」「カメラを売る」「やもり」「蒸発」
1987「海へ」「別離」
音楽
Hi’Spec
SIMI LABのDJ/トラックメイカーとして活動。SIMI LABの1stアルバム「Page1:ANATOMY OF INSANE」(11)では「Show Off」、2ndアルバム「Page2:Mind Over Matter」(14)では複数曲をプロデュース。16年には初のプロデュース·アルバム「Zama City Making 35」を発表。19年、映画『きみの鳥はうたえる』で第73回毎日映画コンクール音楽賞を受賞し、同年7月にオリジナル·サウンドトラックをリリース。24年『夜明けのすべて』でアジア全域版のアカデミー賞であるアジアンフィルムアワード音楽賞にノミネートされた。
プロデューサー
城内政芳
1979年生まれ。熊本県出身。京都国際学生映画祭スタッフを経て映画製作に関わるようになり、フリーランスの制作部·ラインプロデューサーとして活動後、2018年よりザフールに所属。三宅唱監督作品は『Playback』(12)、『密使と番人』(17)、『きみの鳥はうたえる』(18)、『ケイコ 目を澄ませて』(22)、『夜明けのすべて』(24)に続いて本作で6本目のタッグとなる。
録音
川井崇満
1979年生まれ、千葉県出身。10年以上にわたり三宅監督作品を支え続けているスタッフのひとり。これまで『Playback』(12)、『密使と番人』(17)、第73回毎日コンクール録音賞にノミネートされた『きみの鳥はうたえる』(18)、第77回毎日映画コンクール録音賞を受賞した『ケイコ 目を澄ませて』(22)、第79回毎日映画コンクール録音賞ノミネートの『夜明けのすべて』(24)で録音を担当し、三宅監督とは本作が6度目のタッグとなる。
照明
秋山恵二郎
東京都出身。映画美学校の第6期高等科を修了後、照明助手を経て照明技師に。主な映画作に、『ハッピーアワー』(15/濱口竜介監督)、『花束みたいな恋をした』(21/土井裕泰監督)、『ナミビアの砂漠』(24/山中瑶子監督)、『ファーストキス 1ST KISS』(25/塚原あゆ子監督)など。三宅監督作は『Playback』(12)、『密使と番人』(17)、『きみの鳥はうたえる』(18)、『夜明けのすべて』(24)に続く5作目となる。『夏の砂の上』(7月4日公開/玉田真也監督)、『見はらし世代』(10月10日公開/団塚唯我監督)で照明を手掛ける。
撮影
月永雄太
1976年生まれ、静岡県出身。日本大学芸術学部映画学科卒業。『東京公園』(11/青山真治監督)、『キツツキと雨』(12/沖田修一監督)、『葛城事件』(16/赤堀雅秋監督)などで撮影を担当。『泣く子はいねぇが』(20/佐藤快磨監督)で第68回サン・セバスチャン国際映画祭コンペティション部門最優秀撮影賞。三宅監督『ケイコ 目を澄ませて』(22)で第77回毎日映画コンクール撮影賞と第45回ヨコハマ映画祭撮影賞を受賞し、『夜明けのすべて』(24)でも撮影を担当。『夏の砂の上』(25/玉田真也監督)が7月4日より公開し、『海辺へ行く道』(25/横浜聡子監督)が8月29日公開。
編集
大川景子
諏訪敦彦監督『ユキとニナ』(09)で編集アシスタントを務め、以降編集を手掛けた主な作品に『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』(23/金子由里奈監督)、『彼方のうた』(24/杉田協士監督)、『石がある』(24/太田達成監督)、『SUPER HAPPY FOREVER』(24/五十嵐耕平監督)、『海辺へ行く道』(8月29日公開/横浜聡子監督)。三宅監督作品では日本映画・テレビ編集協会賞を受賞した『ケイコ 目を澄ませて』(22)、『夜明けのすべて』(24)を担当。21年、特集上映「ケリー・ライカートの映画たち 漂流のアメリカ」の日本限定スペシャル予告編を三宅監督と共同で手掛けた。


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