INTRODUCTION イントロダクション
ヨーロッパ、中東、アフリカ、アメリカ、そして日本・・・。
2013年から9年間で37回、53か国をローマ教皇と共に旅をする。
ローマ教皇の旅―2013年のイタリア、ランペドゥーサ島から始まり、2022年の新型コロナウイルスのパンデミック下のマルタの訪問までが本作で描かれる。難民問題、紛争に苦しむ中東やアフリカ、アメリカでは平和について語り、世界で唯一の被爆国である日本では黙とうを捧げる。森林火災、台風など自然災害を受けた土地を訪れ環境問題を語り、イスラム教や正教会の指導者と会見し融和を訴える。カトリック教会で起きた性的虐待については謝罪する・・・。
「旅とは知的で精神的な修行だ」と語る教皇は、世界各国へ足を運び、笑顔で手を振るだけでなく、市井の人々と触れ合い、握手をし、直接話を聞く。そして、夢見ることの大切さを伝える。垣間見える明るく飾らない人間性。様々な世界の問題に耳を傾け、言葉を投げかける教皇フランシスコ。本作を通して私たちは彼と共に旅をする。この教皇の旅は、現在の社会情勢を映し出し、私たちの心をゆさぶる。
アカデミー賞®ノミネート『海は燃えている~イタリア最南端の小さな島~』など、
数々の傑作ドキュメンタリーを手掛けるジャンフランコ・ロージ監督最新作。
愛にあふれるローマ教皇の知られざる真の姿に迫るドキュメンタリー。
2013年、ヴェネチア国際映画祭でドキュメンタリー作品として初の金獅子賞を受賞した『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』。2016年、続く『海は燃えている~イタリア最南端の小さな島~』で、ベルリン国際映画祭で金獅子賞を受賞。ヴェネチアに続きベルリンでもドキュメンタリー作品で初の最高賞を受賞するという快挙を成し遂げ、さらにはアカデミー賞®長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた。『国境の夜想曲』では、2020年ヴェネチア国際映画祭にて3冠を受賞するなど、次々と傑作ドキュメンタリーを生み出してきたジャンフランコ・ロージ監督。圧倒的な映像美で世界を切り取ってきたロージが、次にテーマに選んだのは2013年の就任以来9年間で、53か国を訪問しているローマ教皇フランシスコ。常に旅を続け地球を1周している教皇に魅了されたロージは、約800時間分の膨大なアーカイブ映像と、カナダとマルタへの訪問に同行し新たに撮り下ろした映像を交え、1本の作品を創り上げた。拍手で迎えられ笑顔を向ける姿、人々を見つめる優しい眼差し、静かに物思いにふける真剣な表情や時に見せる困惑した表情、慈愛に満ちた熱い言葉――これまで語られることのなかったローマ教皇の真の姿に迫るドキュメンタリー。ローマ教皇として、そしてひとりの人間としての姿が刻まれている。
HISTORY 旅の年表
教皇フランシスコは 9年で37回 旅に出た。
53か国を歴訪し
重要な問題について発言した。
連帯と尊厳 貧困と難民を語り
戦争を非難した。
2013 | ブラジル、ランペドゥーサ(イタリア) |
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2014 | イスラエル、パレスチナ |
2015 | アメリカ、キューバ、ケニア、中央アフリカ共和国、フィリピン |
2016 | アルメニア、キューバ、メキシコ |
2018 | チリ |
2019 | アラブ首長国連邦、日本、マダガスカル |
2021 | イラク |
2022 | カナダ、マルタ |
PROFILE ローマ教皇フランシスコ
第266代ローマ教皇フランシスコ
本名:ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ
Jorge Mario Bergoglio
DIRECTOR 監督
監督・脚本
ジャンフランコ・ロージ
Gianfranco Rosi
1964年、エリトリア国アスマラ生まれ。イタリアとアメリカの国籍を持つ。エリトリア独立戦争中、13歳で家族と離れてイタリアへ避難。青年期をローマとイスタンブールで過ごす。イタリアの大学卒業後、1985年にニューヨーク大学フィルム・スクールを卒業。その後、インドを旅し、1993年に製作と監督を務めた、ガンジス河岸の船乗りについての中編“Boatman”が、サンダンス、ロカルノ、トロントを含む様々な国際映画祭で上映され、成功を収めた。2008年、カリフォルニア州スラブ・シティで海抜40メートルの砂漠平原に暮らすホームレスのコミュニティについての初長編ドキュメンタリー“Below Sea Level”が、ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門ドキュメンタリー賞、Doc/It賞を受賞したほか、シネマ・ドゥ・リールでグランプリとヤング審査員賞、ワン・ワールド国際人権映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞、バーリ国際映画祭ではヴィットリオ・デ・セータ賞を受賞、ヨーロッパ映画賞で最優秀ドキュメンタリー賞にノミネートされた。2010年、メキシコの麻薬カルテルの殺し屋から、司法取引をおこなった人物のインタビュー映画“El Sicario, Room164”を撮影。ヴェネチア国際映画祭で国際批評家連盟賞、Doc/It賞を受賞、リスボン国際ドキュメンタリー映画祭とテルアビブ国際ドキュメンタリー映画祭でそれぞれ最優秀映画賞を受賞。2013年の長編映画『ローマ環状線、めぐりゆく人生たち』はベルナルド・ベルトルッチ監督、坂本龍一ら審査員に絶賛され、ヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞。ドキュメンタリー映画では初の快挙として話題を呼んだ。この作品がジャンフランコ・ロージ監督初の日本劇場公開作品となり、連日満席のロングランヒットとなった。2016年、ランペドゥーサ島の住人や漁師、移民の物語『海は燃えている~イタリア最南端の小さな島~』では、審査員長のメリル・ストリープが絶賛し、ベルリン国際映画祭で金獅子賞を受賞。ヴェネチアに続き、ドキュメンタリー映画で初の最高賞受賞、その年のアカデミー賞®長編ドキュメンタリー賞にもノミネートされた。2020年、3年以上の歳月をかけ、イラク、シリア、レバノン、クルディスタンの国境地帯で撮影した『国境の夜想曲』は、ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に選出され、ユニセフ賞、ヤング・シネマ賞 最優秀イタリア映画賞、ソッリーゾ・ディヴェルソ賞 最優秀イタリア映画賞の3冠に輝いた。2022年、就任以来、世界各国を訪問し続けている第226代ローマ教皇フランシスコに魅了され、膨大なアーカイブ映像と自ら撮り下ろした映像を紡ぎ、本作『旅するローマ教皇』を完成させ、ヴェネチア国際映画祭アウト・オブ・コンペティション部門に出品されワールドプレミア上映された。次回作は、イタリア、ナポリ近郊の古代都市ポンペイの発掘現場で撮影を予定している。
FILMOGRAPHY
REVIEWS レビュー
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目が離せないテーマと、
控えめで人間味あふれる視点の絶妙なバランス。ヴァラエティ
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教皇フランシスコの人生に触れる魅力的で、驚くべき作品。
ジャンフランコ・ロージがスタイリッシュに監督した
エレガントなドキュメンタリーだ。インディワイヤー
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教皇フランシスコが発した言葉の影響を感じるのに
宗教家である必要はない。ザ・プレイリスト
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教皇フランシスコは最も奔放であり、
それゆえに最も明快である。スクリーン・インターナショナル
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神聖な重荷に押しつぶされるロダンの彫刻のように、
前かがみの教皇の顔や肩の親密なショット。
この映画はローマ教皇にかつてないほどに接近している。インディワイヤー
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教皇の姿だけでなく現代社会をも描いている。
それは私たちの世界についての強力な思索だ。デッドライン
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この映画は、世界の試練についての感動的な考察であり、
世界の試練を変えようとする人々への賛辞である。デッドライン・ハリウッド