三人の老人たちの、
切なくも心温まる涙の感動作
高台から海を望む郊外の住宅地に暮らす、三人の老人たち。青く広がる空の下、男やもめでひとりつましい生活をおくる木島等は、今日も初夏の日差しを一斉に浴びて畑の世話に精をだす。歳はとっても無邪気で明るい伊藤民夫は、最近ひとめぼれした老婦人に心をときめかせている。そして、ぶっきらぼうな居酒屋の主人・村田平八は長年連れ添った妻の余命が長くないことを知り、とまどいながらも妻との残り少ない日々を過ごす…。ともに戦ったあの日から50数年、三人の男たちは今、それぞれの人生を穏やかに歩んでいる。やがて平八の妻が入院した先の看護婦が、戦死した戦友の孫娘だったことから、彼らは思いも寄らぬ出来事に巻き込まれてゆくのだった…。現代日本を力強く生きる老人たちが、友情という絆を確かめ合いながら、かけがえのない大切な人のために立ち上がる壮大な人間ドラマ。愛する人を守るために人は何ができるのか?そこには、現代人の失いつつある“人を思いやる心”と“誇り高く生きてゆく勇気”の大切さ、そして生きてゆくことの希望が描き出されます。