Story
パキスタンで国産製薬会社に勤めるアヤンは、ある日、妻の勧めで多国籍企業の営業募集を知り、大手グローバル企業に就職する。「諸君が売り込むのは世界最高の粉ミルクだ!」赤ん坊の粉ミルクを手に、病院を行き来する毎日。アヤンはついに、大手グローバル企業のトップセールスマンになる。
しかしある日、悪夢のような現実を聞かされる。パキスタンで粉ミルクを強引に販売したことによって、不衛生な水で溶かした粉ミルクを飲んだ乳幼児が死亡する事件が起きたのだ。その事実を知っていながら、責任放棄をする企業。自らが販売した商品が子どもたちの命を奪っている事に心を痛めたアヤンは、たった一人で世界最大企業を訴えようとする。しかし、次々とアヤンの前に立ちはだかる、途方もなく巨大な権力の壁。ついには愛する家族と離れながら、男は人生の全てを投げうって立ち向かう。子どもたちを守るため、そして愛する家族のために——。