監督

ダニス・タノヴィッチ

Danis Tanovic

1969年2月20日ボスニア・ヘルツェゴビナ生まれ。

サラエヴォのフィルム・アカデミーで習作を数本撮った後、 92年のボスニア紛争勃発と同時にボスニア軍に参加。「ボスニア軍フィルム・アーカイヴ」を立ち上げ、戦地の最前線で300時間以上の映像を撮影。 その映像はルポルタージュやニュース映像として、世界中で放映された。

94年にベルギーに移住してINSASで再び映画を学ぶ。2001年にボスニア紛争を描いた『ノー・マンズ・ランド』で監督デビューを果たし、 アカデミー賞(R)外国語映画賞、ゴールデン・グローブ賞外国語映画賞、カンヌ国際映画祭脚本賞などを数々の賞を受賞する。 05年にはエマニュエル・ベアール、キャロル・ブーケなどフランスを代表する俳優たちを起用し、クシシュトフ・キエスロフスキの 遺稿を映画化した『美しき運命の傷痕』を発表。その後、コリン・ファレル主演の「戦場カメラマン 真実の証明」(09)、 「Circus Columbia」(10)で、戦争とその結果について描いた。

13年、ボスニア・ヘルツェゴヴィナに暮らすロマの一家を描いた『鉄くず拾いの物語』を監督。実際の当事者を出演させるという斬新なアプローチで、第63回ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員グランプリ)、主演男優賞、エキュメニカル賞特別賞の三冠を手にした。

この度公開となる2作品、日本での公開が世界初公開となる『汚れたミルク/あるセールスマンの告発』は第62回サン・セバスチャン国際映画祭Solidarity賞を受賞。『サラエヴォの銃声』は第66回ベルリン国際映画祭審査員グランプリ(銀熊賞)と国際批評家連盟賞をW受賞し、本年度アカデミー賞外国語映画賞 ボスニア・ヘルツェゴビナ代表に選出されている。

現在、ジェシカ・ビール、クライヴ・オーウェン出演の「Invisible」が進行中。

汚れたミルク あるセールスマンの告発/コメント

実際の出来事だと知り、衝撃を受けました。
主人公の告発する覚悟と勇気を心から讃えます!

——関根麻里(タレント)

正義をなすための代価は私たちが思うよりもずっと大きい。
それでも、この世界にはまったき人々がいる。そのことに私は救われる。

——東山彰良(作家)

スタイルがない。タノヴィッチについては、そう形容するしかない。
でも作品すべてに共通する要素は、巨大な利害の犠牲となる人たちの怒りと悲しみだ。
もちろん本作も。

——森達也(作家・映画監督・明治大学特任教授)

巧みな脚本で展開する超一級の社会派映画。
巨大なグローバル企業のまえで正義は無力なのか。
今立ち止まって見るべき一本だと思います。

——安藤優子(ニュースキャスター)

自分の子と、その他大勢の子。平和な生活と、正義。
国や大企業を相手にし、誰もが後者を選べるだろうか?
そうでありたいという気持ちはあっても。

——室井佑月(作家)

欲と利益が小さな命を犠牲にしてきた、汚れたミルク。
そして男はグローバル企業相手に正義のために立ち上がった。
葬った過去は今も生きている、だから映画になる。
実話です、全ての人々に知って欲しい、だから全ての人々に観てもらいたい。
映画の中の美しい歌声にも酔いしれて下さい。

——フィフィ(タレント)

未解決事件の真相を見せられた気持ちになる大問題作。
こうしちゃいられない!この作品を多くの人に勧めなければ。
この映画が世界を動かす日は遠くないはずだ。そう信じたい!

——赤ペン瀧川(なんでも添削家)

巨大な欲に立ち向かう勇気ある弱者、主人公アヤンと家族、
そしてダニス・タノヴィチ監督、私たちは観客のままで良いのか?

——広川泰士(写真家)

一人の人間としての倫理観と会社や国家の利益がぶつかった時はどうするか。
極めてタイムリーなテーマを見事に描いた作品です。他人事ではありません。

——ピーター・バラカン(ブロードキャスター)

事件の真相を伝えるために選ばれた最後の手段が、この映画なのだ。
「ここはフィクションですよ」と提示することで暴かれるノンフィクションの強烈さ。
映画にはこんな力もある。

——松江哲明(ドキュメンタリー監督)

人間そのものの生の姿が緻密に、かつ強烈に描き出されている。それがこの映画に対する印象である。人間が心に持つありとあらゆる欲求やその間にある葛藤。それが正であろうと負であろうと、それは人間の心そのもの。単なるメッセージ性が強いドキュメンタリーではなく、人の心のあり方に迫った文学的映画だと感じた。

——竹沢うるま(写真家)

巨悪として描かれる企業だが、その一人ひとりの保身や怒りや正当化や諦めは、
どれも経験あるなじみ深い感情だった。
悪とは、目をつぶる弱さの集合体なのだ。だから目は開いておかねば。

——末永恵理(乳児用液体ミルクプロジェクト代表)

赤ちゃんほど無防備なものはない。
パキスタンから生まれたヒーローは武装もコスチュームもない。
ただただ人を助けたい。責任を取らせたい。
気が付いたら大企業相手に、まるでゴリアテと対峙するダビデに。
「汚れたミルク」を見ると心が綺麗になる!
「汚れたミルク」はミルキ満々!

——デーブ・スペクター(放送プロデューサー)

映画が伝えるこの衝撃の事実に、強い憤りを感じずにはいられない。

——ハリウッド・リポーター

報道されてこなかった、今もなお解決されない事件。
社会から引き裂かれた状況下にある人々に、真摯な声を届けたダニス・タノヴィッチ監督の勇気に拍手を送りたい。

——インディ・ワイヤー

サラエヴォの銃声/コメント

歴史を負った町のホテルで、従業員、宿泊客、イベント参加者、ジャーナリスト……
人々の言葉とふるまいが精緻な織物を作り上げる。思想が衝突し、思惑が絡み合う。
そして全体がそのまま今のヨーロッパの縮図になっている。

——池澤夏樹(作家)

1990年代に、民族浄化の名のもとの
苛烈な内戦を体験したダニス・タノヴィッチの映画のリズムは
常にそのときの緊迫を忘れない。

——滝本誠(映画評論家)

カメラがホテル内を走る。それを観るあなたも走る。
その視点に愛や憎しみが重なる。過去と現在が交錯する。
まるで協奏曲のように。まるでサスペンスのように。

——森達也(作家・映画監督・明治大学特任教授)

息つく間もなく引き込まれる。歴史、民族、社会、男女……。
複雑な織物の様に展開する人間関係、何回も観たくなる。
きっと観る度に発見がある作品だと思う。

——広川泰士(写真家)

ワンシチュエーション&リアルタイム進行の濃密な様式で、
観る者を時空のスリップ体験に誘う“ホテル映画”の快作。
不穏な予兆が渦巻き、暴発の瞬間がひたひたと迫りくるサスペンスにも痺れた!

——高橋諭治(映画ライター)

ホテルのポストモダンな外観は一切示されない。
街を俯瞰する屋上、フロント、厨房を含む諸室、地下のクラブなど、
カメラは人々の背中を追いかけながら、建物の内側から欧州の裂け目をのぞきこむ。

——五十嵐太郎(建築評論家)

強烈な傑作!
『シャイニング』ばりの流麗なカメラワークを駆使し、
混迷のヨーロッパ史を総括しながら悲劇のカタルシスへと突き進む、
超絶トリッキーかつスリリングな演出に慄け!

——岡本敦史(映画秘宝編集部)

明快かつ大胆!
巧妙な転調の仕掛け、複数の登場人物たちが織り成すアンサンブル。
ひとつのホテルを舞台にしながら、いまの世界の全体像を浮かびあがらせることに見事に成功している。

——ヴァラエティ

コンパクトで現代的な新感覚スリラー!
あなたはその場を離れることができない。

——ハリウッド・リポーター

現代ヨーロッパの悲惨な寓話を提示した、風刺に満ちた傑作!

——ガーディアン

ダニス・タノヴィッチ監督は故郷 サラエヴォの悲劇的な歴史へカメラを向けた。
それは、外傷的な過去と脆弱な現在の間で未だ引き裂かれたままだ。
重複するテーマとロングテイクのスタイルが、アルトマンの『ショートカッツ』を想起させる。

——シネマスコープ

劇場情報

                                                        
    公開日
都道府県 劇場 汚れたミルク サラエヴォの銃声
東京 新宿シネマカリテ 上映終了 上映終了
神奈川 シネマ・ジャック&ベティ 上映終了 上映終了
神奈川 川崎市アートセンター 上映終了 上映終了
千葉 千葉劇場 上映終了 上映終了
千葉 キネマ旬報シアター 11/11(土)~11/24(金)
群馬 シネマテークたかさき 上映終了 上映終了
北海道 シアターキノ 上映終了 上映終了
岩手 盛岡ルミエール 上映終了 上映終了
宮城 桜井薬局セントラルホール 上映終了 上映終了
山形 MOVIE ON やまがた 上映終了 上映終了
長野 長野ロキシー 上映終了 上映終了
長野 松本CINEMAセレクト 上映終了 上映終了
山梨 シアターセントラルBe館 上映終了 上映終了
富山 ほとり座 上映終了 上映終了
石川 シネモンド 上映終了 上映終了
福井 メトロ劇場 上映終了 上映終了
愛知 伏見ミリオン座 上映終了 上映終了
三重 進富座 上映終了 上映終了
静岡 シネ・ギャラリー 上映終了 上映終了
大阪 テアトル梅田 上映終了 上映終了
京都 京都シネマ 上映終了 上映終了
兵庫 神戸アートビレッジセンター 上映終了 上映終了
岡山 シネマ・クレール 上映終了 上映終了
広島 横川シネマ 上映終了 上映終了
香川 ホール・ソレイユ 上映終了 上映終了
愛媛 シネマルナティック 上映終了 上映終了
福岡 KBCシネマ 上映終了 10/7(土)~10/13(金)
佐賀 シアターシエマ 上映終了 上映終了
熊本 Denkikan 上映終了 上映終了
大分 シネマ5 上映終了 上映終了
鹿児島 ガーデンズシネマ 上映終了 上映終了
沖縄 桜坂劇場 上映終了 上映終了