松山ケンイチ主演最新作「家路」公式サイト。喜びも苦しみも、笑顔も涙もすべてここにあった。3月11日―あの日、故郷を失った家族の再生の物語。内野聖陽、田中裕子、安藤サクラ出演。3/1(土)公開。

ストーリー

「何で戻って来た」「田んぼ、畑、牛、山、全部。もう誰もいねえぞ。みんな出てったぞって呼ぶんだよ。恋しくてたまらなくなったんだ。やっと誰にも気兼ねしねえで生きてけるって思ったんだ」

弟・次郎―警戒区域内

あの日から、誰も立ち入れないはずの家に、次郎は誰にも告げずに帰ってきた。ある出来事をきっかけに、一度も戻らなかった故郷。次郎にとって、そこは懐かしい母のいる自らの原点であるとともに、二度と戻りたくない場所でもあったのだ。
なぜ震災後の今、彼は無人になった故郷に帰ってきたのか…。

兄・総一―仮設住宅

先祖から受け継いだ土地を震災によって失い、家業だった農業もできずに、やり場のない思いをぶつけられる数少ない相手のはずの妻はデリヘルで働くという現実に毎日を鬱々と過ごす総一。不条理な現実に、僅かな光さえ見いだす事ができず、彼の心身は荒れ果てていた。

母・登美子―仮設住宅

総一の継母である登美子は、総一と美佐に遠慮しながら狭い仮設住宅で同居を続けている。血のつながらない家族と暮らす彼女の心に去来するのは、20年近く前のある出来事の後、夫に言われるがままにたった一人の自分の血を分けた息子の背中を見送ったことへの深い後悔だ。ここに次郎がいてくれたら―そう思わずにいられない母もまた、大きな喪失を抱えながらやりきれない毎日を過ごしていた。

家族の再会

やがて次郎の帰還は総一の知るところとなり、総一は警戒区域に次郎を迎えに行く。田圃を耕す次郎を見つけ、たまらず抱え込んでいた複雑な思いをぶつけてしまう総一。そんな総一に、次郎は「ここで、もう一回やり直したい」と告げる。仮設住宅にやってきた次郎に「みんなそろったね」と静かに喜ぶ母。何事もなかったかのように、次郎と登美子は米の話をする。そして翌日、母子はかつて家族で過ごした家へと続く道をたどり始める。一方で総一も、決断が出来ぬままにいた、別の土地で生きることを模索し始めるのだった。

家路

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