COMMENT

大島渚や吉田喜重、僕の映画のルーツである60年代の日本の独立系の監督たちの映画の匂いがする。
現代の日本映画でそういう感覚を持つ映画に初めて出会った。

坂本龍一

ハードボイルドな設定なのに、いろんなことがえらくかわいいおかしなふたりだった。
映像のすばらしさは考えられないほど!
ただ 流してずっと眺めていたい。

吉本ばなな

『プラットホーム』、『四川のうた』、『山河ノスタルジア』、
作曲家として、半野喜弘は私と3本の映画で仕事をし、彼の音楽は正確に映画の核心を表現する手助けをしてくれた。
映画監督として、半野喜弘の『雨にゆれる女』はまた、私に彼の精神世界の核心に触れるチャンスをくれた。
骨身に沁みるような孤独と優しさ、激しい心の内と悠然とした語り口の対比が、拭い去れない感動をもたらしてくれる。

ジャ・ジャンクー

この映画の雨の音、海、火、2人が話す声、2人の世界を包む音楽が印象に残っています。
なんかじめじめとした湿度や匂いが画面から感じ、青木さんの演じた孤独な男の中にある
繊細な表情にグッとくるものがあり、とても引き込まれました。
もう一回じっくり観たいです。

小松菜奈

半野さん、映画完成おめでとうございます。
半野さん自身の音楽で実践され、その中から感じとれる実験性や普遍性は、映画制作の中でも表現されていました。
生と死について行き着く愛の物語は淡々とロマンチックに、繊細な描写や独白のような言葉は危ういバランスで均衡が取れ、突然の美しい映像や健次と謎の女の言葉に、不意に涙が出て狼狽しました。
今回の作品が今後どのように扱われるか楽しみです。
まだ気が早いですが、半野さんが次回作に取り組まれることも期待しています。

田中フミヤ

そこにある生々しいリアルなのに何処か幻想的な人間達
半野さんが遂には映像で奏でた見事過ぎる人間の心の襞
気付いたらその本質的な旋律に、切なく包まれている
劇場で浸らない手はない。

斎藤工

雨にゆれる女をみはじめると、10年後に、もう一回見たいと途中で思った。
僕の精神がこのハナシを見届けられるほど、逞しくないと思ったし耐えられるだろうか?と、ビビってしまった。
青木崇高と、この女のせいだ。
その思いもいつの間にやら失せて、困った、困った、困ったぞと、心が俺に訴えかけてきた。
この映画の中には、俺もいる気がしてきた。本当にこわい。
青木と、この雨のせいだ。

中村達也

この映画を観た後、傷口のわからぬ痛みがじんわりと滲んでくるようでした。
その余韻を辿るたびに胸が締めつけられ、
雨に濡れた二人のまなざしが、圧倒的に儚い。

太賀

官能的な雨音に誘われ、孤独な二つの魂が運命的な邂逅を遂げる。
男と女の間にある匂い立つ空気を見事に捉えたラブストーリーである。
そして、映画の中で記憶に残る土砂降りの雨の場面に私は嫉妬した。

行定勲

湿度の高い空気感と、緊張感がラストまで。
主人公のふたりの複雑なこころの動きをそのまま採譜したかのような最後の音楽も、本当に美しかった。

コトリンゴ

雨音、動悸、息遣い。眼で聴き素肌で見る感覚。
目眩のように揺れる感情はあまりにも切なく美しい。
荒々しさの向こうに見え隠れする絹ようなテクスチャ。
旋律の中に漂う清廉な風に、やめていた煙草を思わず手に取った。

谷川じゅんじ JTQ / Space Composer

私は半野さんの音楽にある、遠い記憶に突き刺さってくるような切ない旋律が好きでした。
その旋律は美しい映像と化し、役者の中にも息づいて呼吸をしていました。
身体の中で静かに、時に激しく脈打つ音が聞こえてくるようだったのです。
そんな耳には聞こえてこないあらゆる音が、この映画に物語を語らせていたように思います。
青木さんは、まず身体で反応する役者ですね。
青木さんの枠にはまらない性分が、セリフを語らないところでも毛穴から発せられていました。
とても魅了的でした。

鶴田真由

何処か懐かしい詩の朗読を聞いている様な感覚に酔い、湿度を体感出来る映画でした。
水滴となった視界、間と間を紡ぐ音と画に、瞬きを忘れて深淵へと落ちる。

青木ロビン(downy)

(順不同・敬称略)